代表堀田が時流を読んで思いをぶつける!ホッタの本音 今週のレポートNO.1052
【サッポロビール那須工場閉鎖 黒ラベル135ml缶終売。ノンアルコールビールにシフト】
久しく目にしていなかった「ビールの135ml缶」。確か酒屋に就職して5年が経過し結婚した23歳。昭和59年にアサヒスーパードライが135ml超ミニ缶が発売された。40年前の事だ。独立して社員を採用、社員は350m缶、酒の弱い僕は超ミニ缶を仕事が終わってお疲れさんと一緒に飲んだ事を思い出す。当時ミニ缶はビールの好きな奥さんがパートから帰り晩御飯を作る前に一口で飲む、或いはお風呂上りに一杯というイメージ。それが現在ノンアルコールビールに変わったと言っても過言ではなく、僕は食前のビールを止めてノンアルコールビールに変えた。この方が食中の日本酒にしてもワインにしても美味しく感じる。本格的なビール消費衰退が始まったと捉えて良い。生ビールも回転が悪くなると品質が劣化する。人手もかかるので瓶ビールだけの店が増えているように思うし、生から瓶にシフトする客も見かけるようになった。
【倒産9年ぶりの高水準 平成の新陳代謝活発 原材料価格高騰 人手不足 ゼロ融資返済響く】
2023年度全国の企業倒産件数が9年ぶりに増え9000件を超えた。全9業種のうち8業種で倒産件数が増加。最多は「サービス業」このうち3割が飲食店、3月は前年同月比25%増、4月はゼロゼロ融資の山を迎える。2024年度も益々増えると言う。
【松屋銀座、デパ地下でこだわりの「冷凍ご飯」お客様から要望を受け商品化、冷凍食品好調】
阪神百貨店では冷凍食品は売れないと一部のコーナーで販売を中止にした。僕も売り場を見に行った松屋銀座地下2階にある冷凍食品売場「ギンザフローズングルメ」は、今年もカレーや鍋料理にこだわり冷凍ご飯など新たに9商品を発売したと言う。「ギンザフローズンゴハン/夢ごこち(160g2個入り1296円」「新之助(160g476円)」松屋銀座に出店している米屋の店主が選んだ米を使用し、竹や麦を使った器に入ってレンジで解凍、温度をコントロールして蒸す特殊なソフトスチームを持ち入り、7割ほどまで炊いた状態で急速冷凍し、レンジで3分40秒温める事で炊きあがった状態となると言う。最新の冷凍技術を使って寿司職人が握った「握りずし8貫入り3780円」。2年先まで予約が取れない人気グルメ居酒屋「食堂とだかのカレー1404円」。銀座にある江戸料理の西瀬「はち巻岡田の東京しゃも鍋 2人前7020円」など55ブランド350種類ほど3000円~4000円が中心で高価格帯ながら当初目標の1.5倍の売上げを記録している。
【2024年度採用計画、中途採用比率過去最高の43%増 補充要員から戦略要員として】
日本経済新聞社がまとめた結果、これまでの新卒採用は転換期を迎えたと発表した。主要企業2242社からの集計で具体的な数値目標として中途採用計画を回答した企業は1215社と54,2%と5割を超えた。顕著なのが情報技術の分野で、30年にはIT人材が最大で79万人不足する見通し。グローバル化やデジタル化など事業環境が変化する中、、新卒だけでは難しく、経験知識のある中途採用が急務になっていると言う。
【ワタミ 海外で外食チャーン展開に供え、米国ですし卸シンガポールで食品加工会社買収】
ワタミは海外展開を模索しており、昨年末にシンガポールで外食向けの食品加工を手掛けるリーダー・フードを買収した。今回、米国で食品スーパーやホテル向けに寿司の加工や卸売りを手掛けるサニー・スシ・カンパニーを買収する。ワタミはホテルとのパイプが太いサニーを通じてホテル内への外食の出店にもつなげたい意向。更に焼肉店「焼肉の和民」のチェーン展開を計画している。
【日本酒に続き、高級ワインの国際価格が下がっている。2024年3月前年比15%減少】
日本酒の減少は、①中国の日本水産品の輸入禁止を受け日本レストランでの販売減少、②米国に於いて物価高で倹約消費の影響、③ウクライナ紛争やガザ侵攻など投資家のリスク回避を招き、順調だった世界の胃袋中国の景気低迷も需要を鈍らせている。特に高級品への関心が薄まりつつあると言う。
【値上げせず好業績のサイゼリア 実は海外の営業利益が殆どで国内利益は4億円と大した事はない】
可笑しいと思っていたら、サイゼリアが発表した2023年9月~24年2月期の連結決算、営業利益は6.6倍の59億円でアジア事業の営業利益が55億円。国内事業はわずか3400万円の営業黒字を死守した。(昨年は16億円の赤字)という。今期も値上げしない方針は変わらないと述べた。足元ではパートアルバイトの時給が上がり、調味料や加工食品など原材料の更なる値上げと円安が進み中東情勢も悪化しているが、値上げはしないとマスコミで言っている以上値上げはしにくく、単に値上げすると確実に売上は下がり、コストは下がらないのが装置産業の厳しいところ。吉野家は円安の影響で昨年値上げしたにも関わらず最終利益27%減、予測外の為替の影響が襲い掛かる。
【1990年6月以来ドル円34年ぶり154円台に 日本と欧米の金利差が縮まらない限り円安は続く】
インバウンドにとっては朗報。欧米やオーストラリアからの長期滞在が増えており、高額ツアーも人気だと言う。輸出も好調、輸入は厳しい。昨年末ジャーナリストなど専門家は口を揃えて130円台と見込んでいたにも関わらずその差は大きい。それに加えイランとイスラエルの中東情勢がもたらす原油高はガソリン価格の上昇に加え、トラックなどの輸送費の押し上げなど企業の価格転換を通じて広範なインフレを招く。実際に日本酒や高級ワインなど売上が減少に転じている。海外に於いて高級、高額消費の潮目が変化して来たようにも感じる。
【日本人人口減少幅過去最大83万人。外国人が労働力を補う。但し、外国人足しても13年連続減少】
総務省が発表した人口推計によると、2023年10月時点で外国人を含む日本の総人口は前年比59万5千人少ない1億2435万人と13年間連続で減少。特徴としては少子高齢化が進み、流入が増えている外国人が労働力を補う格好が鮮明。日本政府も外国人労働者を積極的に受け入れる為の施策をどんどん行っているので更に外国人労働者は増える。但し、賃金に関してオーストラリアやニュージーランド、香港は日本より高く、シンガポールや韓国も肩を並べており、賃金での魅力は薄らいでいるが物価の安さや治安など人気はまだ高い。
【未婚と高齢者が増え9年後に1世帯平均2人未満に「おひとりさま」世帯が益々増える】
国立社会保障・人口問題研究所によると、9年後の2033年には日本の平均世帯数が初めて2人以下となり、1.99人となると発表した。高齢化も進み、2050年には65歳以上の一人暮らしが1083万人と2020年比で47%増加すると言う。又、世帯主の割合は65歳以上が2020年で38%→46%、75歳以上は19%→28%となると試算。高齢の「おひとりさま」の存在感が高まり、年金や医療・介護といった社会保障や生活のインフラの改革が求められる。近親者がいない高齢者が増えるといざというときに困る。食事の提供を通じて、何かお役に立てればと思う。
【ファーストリテイリング柳井会長兼社長 円安「日本にとって良いわけがない」とコメント。】
11日の決算説明会に於いて、歴史的な円安水準について「日本にとって良いわけがない」とコメント。又、小売業では多くの人手を使って作業する「人海戦術」に頼っている点が課題だと指摘。人材を効率的に配置し、報酬も引き上げる事が重要だとの事。今期売上3兆円を超える予定。10年程度で10兆円を達成する事については「世界が市場になれば十分可能」だと言う。それより人に投資する事。人材に尽きると述べた。世界中でインフレが進んでいる。給料を改善しないと成長しないのは当然だ。円安は世界の中の日本を考えると円安になる事を喜ぶような人は可笑しいと思う。国内消費に関しては消費者が受け取る実質的な報酬が減っているから買い控えをして当然だが、安易な値上げは出来ないし、反対に値下げもどうかと思う。値付けは商売の元なので真剣に取り組んでいくと発表した。