代表堀田が時流を読んで思いをぶつける!ホッタの本音 今週のレポートNO.1031

【長引く物価高・金利高により、米国のカード延滞率12ぶりの高水準】
堅調と言われて来た米国の個人消費が変調の兆しが出て来たと言う。7月~9月のクレジットカードの支払いができずに延滞した割合が8.01と12年ぶりの高水準となった。若年層を中心に長引く物価高、金利高による家計負担が大きくなっていると言う。コロナ規制撤廃のリベンジ消費が一巡し、カード利用も最高になり、7月~9月の米国全体のカード債務残高は1兆790億ドル(日本円で約160兆円)で、データーがある1999年以降過去最大を更新した。この兆しは米国のみならず多かれ少なかれ世界各国も同じ状況と推測。但し、日本は金利が低い分、救われるが反対に給与も上がって無い。中国も金利は高騰してないが経済が減速している。そんな中で安心な日本企業の株が人気。なんだか怪しい気配がして来た。そらこれだけ大きなコロナショックが有り、しかもロシアのウクライナ侵攻が長期化しているのだから何か異変が起こるのも時間の問題のような気がする。

【企業倒産19ヶ月連続で増加、4年ぶりに8,000件を超える公算。9月前年比33%増】
物価高と人件費の上昇で経営が厳しくなる中で、ゼロゼロ融資の返済が始まり資金繰りに行き詰まるケースが相次いでいると言う。更に後継者難の倒産が増えている。日本企業の99%が中小企業で、雇用全体の7割以上を占めている。政府は円滑な事業承継を提唱している。

【「国の借金」1275兆円。普通国債は過去最大に。金利上げたくても上げられない。。】
財務省が2023年9月末時点で国債と借入金、政府短期証券を含む「国の借金」が1275兆6116億円になり、税収で返済する必要がある普通国債の発行残高は1027兆4129億円と過去最大となったと発表した。結局政府は金利を上げたくても上げられない状況に陥っている。この米国やEU国との金利差が円安を生む。多くを輸入に頼って来た日本が物価高に苦しむ背景がここにある。

【ビール3社、値上げ浸透で事業利益が大幅増。コンビニ、電力会社、飲食店もみんな】
多くの企業が四半期決算の度に利益や事業収益が過去最高と発表を目にする。その要因は大半が値上げによる客単価アップや収益改善で利益純増。過去最高など、売り手と買い手しかいない訳だから売り手が儲かると買い手は。。儲かった利益を従業員に還元出来ていれば金は回るのだが、実態は反映されていないのが実情だ。しわ寄せが相当発生しているはずだ。しっかり値上げ出来ていない中小零細企業や物価高以上の賃金が増えていない人が多く存在している。このままだと更に景気は悪くなり1年経過すると前年割れをするのは目に見えている。

【食のセレクトショップ「久世福商店」M&Aで海外進出。米国の次はカナダや韓国へ】
久世福商店を展開するサンクゼールは、米国の食品製造会社を買収して飲む酢やドレッシング、ジャムなどを製造販売し売上を伸ばしている。柚子や味噌など日本固有の味をバーベキューソースなどの米国の消費者が使いやすい調味料と融合させた「ハイブリット商品」が現地で人気だと言う。現在西海岸を中心に現地スーパー600店舗を5000店舗に広げたいと言う。台湾やニュージーランドにも販路が有り、カナダや韓国への進出に向けたアプローチを進めており、ローカルに強い食品系企業のM&Aを進めて行き製造拠点を持ちたいと言う。

【スシロー「回る寿司」再開せず、タッチパネル注文真っ直ぐレーンで提供一本に】
注文なしに寿司がレーンに流れる商品を選び手に取る「回転すし」を中止、再開しない店舗が増えてきている。タッチパネルで好きな商品を注文する顧客が増える中、迷惑行為を発端に寿司を事前に回す事を取りやめる店が増え、回転すし大手のスシローは再開しない方針を発表した。店にとっても廃棄が減りコスト消滅に繋がる。但し、回る寿司を見ながら手に取る楽しみは味わえない。

【くら寿司「宅配サービスに活路」6倍にあたる150店でウォルトと提携。内食、家飲み需要に注力】
料理宅配のウォルトジャパンと提携してくら寿司が運営するデリバリーサービス「どこでもくら寿司」を提供する店舗を拡大する。1回に2,500円以上は配達手数料無料で受けている。物価高により消費者は外食の回数を減らしており、お家で食べるご家庭が増えている需要を狙う。

【イオン強気のクリスマスと年末年始に向け自宅需要を見込みプライベート総菜70品目発売】
売上が好調なイオンは、節約と楽しみを両立させた自宅での需要が増えると見込み、クリスマスや年末年始向けにオリジナルの冷凍やチルド総菜70品目を発売すると発表した。イタリアのパスタ大手のバリラと共同開発した冷凍パスタや有名シェフ監修のチルド商品、自宅のレンジで「丸焼き」する鶏肉など自宅でパーティーを想定した商品を揃える。鮮魚も野菜もそう他社との差別化にならず、牛・豚・鶏も高品質なブランド肉は売れないから価格勝負になる。しかも一から食材を買って作る人は年々減る一方、結局はオリジナル性を発揮できるのは冷凍・チルドのお総菜になる。ここが集客のキーワードとなった。そんな意味では大量仕入れの強みを活かしたリーズナブルでまずまずの品質と美味しさの惣菜で冷凍食品や惣菜・ミールキットには早くから取り組んでいる分強い。

【中国の売上依存の高い資生堂株がストップ安。1日で時価総額2800億円減少経営判断謝ると命取り】
中国経済成長を見通して古くから中国に注力していた資生堂。中国事業の売上は2582億円と全体で27%を占め、日本国内の売上2376億円を上回る。ところが中国景気の衰退に加え、処理水放出後の日本製品の買い控えが広がり、現地インフルエンサーによるマーケティング活動が十分に出来なくなったことなどで売上が大きく減少した事を受けて東京株式市場でストップ安となり、たった1日で時価総額が2800億円減少した。そもそも経営の法則で販売チャネル先への依存度が高いと命取りになる法則に反し、販売先の国を誤ると経営さえも危ぶまれる命取りになる。肝に銘じなければならない。

【独り勝ちだったニトリの似鳥会長「来年は円高になる」1ドル-120円まで下がれば為替予約も】
長らく独り勝ちが続いた家具や大手ニトリもコロナを機に円安となり海外の自社工場で製造して日本国内に輸入して販売する戦略が崩れ、減益を余儀なくされている。そのニトリの似鳥会長が「来年は円高になる」と発言。既に長期為替予約は辞めて直物(スポット)取引に替えているが、「1ドル=120円」まで下がれば本来の為替予約も考えるとコメントした。どうやら1ドル=120円が儲けの目安と捉えているようだが、現在151円が140円台になる事はあっても120円には当面はならないと思う。為替と金利の関係は連動しており、米国の思惑が凄く影響する。言い換えると超資本主義化に向かっている。わずかな増益者と多くの減益者が発生する分断社会・分断景気の時代へ入った。

【国際空港増便を背景にアジアなど14ケ国から訪日。10月として過去最高、対応に大わらわ】
日本政府観光局によると10月は韓国・台湾・シンガポール・オーストラリア・米国・スペインの来日客が10月として過去最高を記録したと発表。奈良県知事は早急にホテルの建設を推奨し、ユニクロはコロナで閉めた大阪心斎橋の旗艦店を再開。ワタミは和牛串焼きの店を展開するなど対応におおわらわ。円安効果で2019年度比、韓国、シンガポールからは3倍にインド20%インドネシア18.2%、ベトナム8.4%、フィリッピン7.0%、台湾2.7%(42万人)が来日して免税売上は一人当たり19年度比1.5倍の10万2000円に伊勢丹新宿本店の今期売上は3727億円を計画1991年のバブル期を超えて過去最高を更新する見込み。今後も国際便が増える見込みで更に訪日客は増える。観光地と買い物と食事の三強。潤う地域と店が分断する。

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