代表堀田が時流を読んで思いをぶつける!ホッタの本音 今週のレポートNO.1066

【2023年度主要小売業海外売上寄与5.1%増 スーパー32年ぶり高成長、通販二桁伸び】
コロナの収束とインバウンド客の増加に、さらに値上げに海外展開が寄与し、小売業上位500社の売上は80兆5867億円、前年6.4%増で、首位はセブン&アイホールディングスで11兆4717億円と海外コンビニ事業のガソリン価格が低下し前年比2.9%減、2位はファーストリテイリングが2兆7665億円で海外が好調で前年20%増。3位はイオンで中国バブル崩壊や東南アジア経済成長は続く所得差が拡大し、中間層の利用が多く物価高で伸びが鈍化。4位のニトリは円安で減益。5位はドンキホーテを展開するパン・パシフィック・インターナショナルHD。6位ローソン、7位ファミマ、9位マツキヨ、9位ヨドバシ、10位エービーシーマートと続く。国内市場が伸び悩む中、海外展開は必須条件なった事が小売業売上ランキングに表れている。中でも国内問わず外国人に人気のドンキホーテがコンビニや百貨店を上回り売上ランキング5位になるとは時流を感じる。国内外とも外国人がキーワード。食品スーパーは前年比6.6%と値上げが寄与して32年ぶりに増収増益を果たしたが、差別化付加価値を出せない店は淘汰が進んでいる。

【2024年度実態調査 値上がり日常消費に息切れ感。客数「増える」は28%に縮小】
今年に入り客単価は半数以上の企業で増えたと回答する一方、客数が伸びると答えた企業は28%に留まった。特にインバウンドや国内富裕層による高級ブランドや宝飾品時計などの売れ行きは好調だが、物価高で5月の実質賃金は26ヶ月連続でマイナス。商品の値上げが家計を直撃し、消費者の買い控えを引き起こしている。5月の全国スーパー売上高は前年比で横ばい。買い上げ点数は下回った。客数が減少した企業は35.4%で増加した32%を上回った。特に専門店では43%が減少した。イオンやコンビニ各社含め、値下げに踏み切り出している。客数が伸びない中での値引きは禁物だ。

【2023年度ネット通販主要1551社前年比8.1%と他業態に比べ好調。但し、利益利益出た企業は35%】
23年度もアマゾンがダントツで売上高3兆6527円14%増。2位ジャパネットHD5.4%増。3位ヨドバシカメラ、4位ショップチャンネル、5位ベルーナ、6位ユニクロ、7位ビックカメラ、8位セブン&アイ、9位オイシックス、10位ニトリと続く。一般的にはネット通販は当たり前になったと思うが、小売業全体では56.8%と過半数超えたぐらいで業種的には百貨店72%、専門店64%、スーパー42%、地方スーパーは導入が少ない。24年度も売上が減少すると答えた企業はわずか2.1%。但し、営業利益が出たと回答する企業は「35.5%」にとどまり、利益トントンとの回答は「18.4%」、赤字「13.7%」。広告費やシステム投資も送料負担に値引にポイント付与など競争が激しい。

【冷凍調理品の購入額2014年比単身世帯で5割増。主食軽食の購入45%が冷凍食品】
コロナ禍をきっかけに備蓄しやすくて簡単に食事を準備できる「冷凍調理品」の需要が拡大している。コロナ感染が拡大した2022年度に2014年比で21%増、23年は38%増になりコロナが収束した後も好調を維持している。唐揚げやチキンナゲット、うどんやおにぎりなど子供の食事に冷凍調理品を活用している世帯が増えた。単身世帯では何と45%を冷凍食品でまかなっている。又、シニア層など夫婦二人世帯ではお好み焼きや焼きそばなど軽食の購入も多く、柔らかくて食べ易い商品が人気。単身世帯、夫婦二人世帯共に主菜と副菜のおかずセットやご飯付きの「ワンプレート」が人気。

【2024年度新米 JA買取り価格鹿児島県こしひかり前年5割高、宮崎県4割高と過去最高】
既に新米の収穫が始まっている鹿児島県では、7月の買取り価格がコシヒカリで1万9200円と前年比5割高となった。宮崎県では4割高となり、例年に比べて大幅な値上がりで大手コメ流通の幹部は30年でこんな上昇は記憶にないと言う。昨年の猛暑で品質が低下して流通量が減ったことと、インバウンドなどの消費回復で需要が増えた事、人件費や物流費、光熱費などの上昇などコスト増が原因だと言う。生産者は少しでも高く売り渡したい気持ちは分かるが、大幅な値上げは折角上向いて来た米の消費に拍車をかける可能性が高い。

【卵10パック245円で販売すると1個あたり3.7円の赤字。赤字幅拡大】
鶏卵が高止まりしている。玉子の生産コストの半分を占めるエサが殆ど輸入でアジア圏の経済成長と物価高と円安で高騰が続き、1個当たり13.4円、2019年比で4割上昇している。それにプラス物流費や高熱費や人件費なども高騰して小売店のコストを合わすと一個当たり28.2円となり、10個入り282円で販売すると採算が合うが実際にの店頭価格は245円1個当たり3.7円の赤字になっている。玉子は昔から集客商品の目玉だったが、19年は1個1.2円の赤字だったが3.7円に赤字は増えている。ケージフリーなど育て方や餌にこだわり4個パックなど販売単位を変えてこだわりを訴求して高値で販売している卵は利益が出ている。

【吉野家、人件費に輸入肉値上がり、今期3月~5月純利益33%減少。出店見直しも。。】
エサ代含め物価高騰に円安で輸入肉が4割上昇する中、国内牛肉も高騰していおり、プラスして人手不足を背景に人件費も高騰し、吉野家ホールディングスの今期3月~5月の利益が33%減少したと発表された。売り上げは8%増の2030億円、米の相場も高騰しており、新規出店計画も資材含めた建設費の上昇で見通しを余儀なくされている。

【ニチレイフーズ たんぱく質を多く含む新ブランド「everyONe meal」を9月から発売】
フレイルなど健康経営、健康寿命延伸に力を入れる厚生労働省やタンパク質摂取したいニーズの高まりを受けてニチレイフーズは需要が拡大する冷凍食品で100g当たり9g以上のタンパ質を含む「everyONe meal(エブリオンミール)」ブランドを立ち上げ、スープやリゾットやグラタン、おにぎりなど9品を発売すると発表。既に先行してECで植物性のタンパク質や糖質を40%抑えたカレー・炒飯・パスタなど6月から発売。これまでの冷凍食品とは違う価値を提供したいと常務執行役員はコメントした。

【百貨店「120年の転機」。セールは売れない。高島屋が望む「定価」夏商戦】
先日から報道されている、高級ブランドでさえ値引きして販売しても売れなく、ブランドイメージが下がり客離れを起こしている。百貨店でも得意の「セール」の販売が伸びず、逆に値引きしていない「定価」商品が伸びていると言う。そんな中、高島屋ではセール品で大量販売する従来のモデルから脱却し、新商品を投入したところ順調に売れた。この背景に①数が売れなくなった。②セールが前倒し過ぎる。そこへAIなどの導入で少量でも早く作れるようになったことからタイミングよく最新のトレンドに合わせた新商品を導入すると売れた。夏のセール6月28日~7月9日と夏のボーナスに合わせた特売だが梅雨が明けて気温が上がるには少し早く、タイミングがずれている。値段の事を気にしない消費者は今着る服が欲しいのだ。

【20代で年収2500万円、国内最高のBtoB企業「キーエンス」が注目】
キーエンスは、創業尼崎市の玩具のラジコンを製造しいた企業で、現在では海外売り上げ比率は50%を超え、世界44カ国・200拠点で事業を展開している。2021年の国内企業の時価総額ランキングでは、トヨタ、ソニーに次いで国内3位になるなど日本を代表する優良企業。センサー、測定器、画像処理機器、制御・計測機器など主に工場の生産性向上を実現する機器類を扱っているメーカーで、新型コロナウイルスの影響を受けて一時業績が落ち込んだものの、2022年3月期にはV字回復を実現。さらに、23年3月期の決算では、売上高9224億、営業利益4989億円といずれも2年連続で過去最高を記録し、営業利益率は54.1%と、国内でもトップクラスの収益力を誇る。ポイントは「付加価値戦略」と「差別化戦略」を同時に行っていることだ。

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