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11.262018
プロが語る「食品通販」の世界 vol.009
インターネットにも「商圏」が存在!
商圏は「ポイント」で形成されている!
前回のコラムでは、ネットショップの根幹の考え方である「CPOとLTVのバランス」について解説しました。
(※前回の記事はコチラ)
- CPOとはCost Per Orderの略であり、「新規客1件を獲得するのに必要な販促費」のことです。
- LTVとはLife Time Valueの略であり、「獲得した顧客が一生涯にもたらす利益」のことです。
つまり、「CPO<LTV」となっていれば、いつの日か儲かる、つまりは販促費が回収できるということです。
普段行っている販売促進というのは、「CPOを下げる活動」、「LTVを上げる活動」のどちらかを目指した活動です。
そのため、この2つの数値は、重要指標として徹底した管理を行うことが大切です。
どんな商品を販売するのか、どんな方法で販売するのかに関わらず、この2つの数値が重要であることは変わりません。
絆会員の皆様には、ぜひここでしっかりとご理解いただきたいと思います。
さて、今回のコラムでは、「どんな方法で販売するのか」の中の「場所」について解説していきます。
つまり、「商圏」や「立地」ということです。
インターネットの中にも、商圏が存在するのです。
この商圏は、「ポイント」で形成されています。
楽天ポイントを貯めている方は楽天市場、Tポイントを貯めている方はYahoo!ショッピングというように、
顧客の購入場所はポイントで決まっているのです。
多店舗展開の理由1:多店舗展開しなければ全顧客にアプローチできない!
ネットショップにおいては、「多店舗展開」することが基本となります。ポイントで商圏が形成されている以上、「多店舗展開しなければ全顧客にアプローチできない」からです。集中的に特定のポイントを貯める顧客が多いため、商圏を跨いでの購入はほぼありません。食品ネットショップの場合、「自社サイト」、「楽天市場店」、「Yahoo!ショッピング店」、そして成長著しい「Amazon店」という4店舗体制が基本です。
多店舗展開の理由2:多店舗展開することで初期投資が分散される!
また、「多店舗展開することで初期投資が分散される」ということも大きな理由です。
実店舗の場合、多店舗展開を行ったとしても初期投資はそれほど大きく変わりません。同程度の物件であれば、1店舗目の初期投資で2,000万円かかったものは、2店舗目を出店する際にも2,000万円程度かかります。つまり、どれだけ多店舗展開を行ったとしても、初期投資が低くなるということはないのです。
しかし、ネットショップの場合はこの部分が異なります。ネットショップという店舗を出店するにあたり、かかる費用は「コピーライティング」「写真」「デザイン」の3つです。コピーライティングを自社で行う方も多いですが、その場合は自社の人件費や労力がかかる費用と言えるでしょう。デザイン会社によって金額は様々ですが、私は1店舗目の出店に関しては100~150万円で出店するのが費用対効果の観点から良いと伝えています。
実店舗とは異なり、2店舗目の出店時にはこれらの大部分の費用がかかりません。同じ文章、同じ写真、同じデザインで2店舗目を出店すれば良いため、移設する費用のみとなります。
そのため、2店舗目は1店舗目の出店費用の3分の1程度で出店できるのが一般的です。3店舗目以降も同様です。仮に、1店舗目を110万円、2店舗目を35万円、3店舗目を35万円で出店した場合、1店舗あたりの平均出店費用は60万円となります。
例を挙げさせていただくと
私の指導先に、熊本県の株式会社千興ファーム様があります。菅乃屋(すがのや)という屋号で通販事業と飲食店を展開しており、馬肉のみで通販年商は2億円となっています。日本一高い売価設定であり、さらに通販事業の運営人員は2名という極めて効率的な体制を築くことに成功しています。この会社でも多店舗展開を行っており、自社サイト、楽天市場店、Yahoo!ショッピング店とデザインは全く同じです。
(菅乃屋の3店舗デザイン)
いかがでしょう?
ぜひ、ネットショップの特性を理解し、
多店舗展開を前提とした戦略でネットショップに参入していただきたいと思います。
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