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廣瀬先生の徒然日記 vol.035

みなさま、こんにちは。
今年は、8月から9月の間、緊急事態宣言で自由な外出ができなかった方が多かったと思います。様々な趣味が制限されストレスが溜まりに溜まった方も多いでしょう。ストレスは万病の元であり国民の健康・生活、経済活動にも影響を与えます。そのため、ストレスの解決は、各個人の問題であり行政府の問題でもあります。とはいっても、行政府が何かすぐにやってくれるわけではないので、まず個人でどうするか・・・ということになります。

本日は、「睡眠」のお話をしたいと思います。
ストレスによって睡眠不足になったり、逆に睡眠不足がストレスの原因になったりもします。質の悪い睡眠は生活習慣病の罹患リスクを高め、かつ症状を悪化させることが分かっています。みなさまは、よく眠ることができていますか?

慢性的な睡眠不足は日中の眠気や意欲低下・記憶力減退など精神機能の低下を引き起こすだけではなく、体内のホルモン分泌や自律神経機能にも大きな影響を及ぼすことが知られています。そのため、慢性的な寝不足状態にある人は糖尿病や心筋梗塞や狭心症などの冠動脈疾患といった生活習慣病に罹りやすいことが明らかになっています。

睡眠問題は「睡眠習慣」と「睡眠障害」の問題に分けられるそうです。「睡眠習慣」とは、睡眠不足やシフトワークなどによる体内時計の問題、「睡眠障害」とは睡眠時無呼吸と不眠症の問題をさしています。厚生労働省のサイトでは、以下の図のように「睡眠習慣」と「睡眠障害」は綿密な関係であることを示しています。

日本人、特に子供たちや就労者の睡眠時間は世界で最も短いと言われています。次の図は、就労者の男女別の睡眠時間を国際比較した結果です。日本人の睡眠時間は短く、特に女性は家事や育児の負担が大きいため男性よりもさらに睡眠時間が短く、慢性的な寝不足状態にあると言えます。

また、財団法人日本小児保健協会が実施した調査によると、「夜10時以降に就寝する子ども」の割合は、1歳6ヶ月・2歳・3歳で半数を超えており、子どもの生活時間の夜型化の実態が明らかになってきました。これは10年20年前に比べて、顕著に増加しています。また小・中・高校と学年が進むにつれて就床時刻が遅くなること、睡眠時間が少なくなり「睡眠不足を感じている児童生徒」の割合が増加していることなどが示されています。睡眠不足は、成長の遅れや食欲不振・注意や集中力の低下・眠気・易疲労感などをもたらします。子どもの場合、眠気をうまく意識することができずに、イライラ・多動・衝動行為などとしてみられることも少なくありません。また睡眠不足は将来の肥満の危険因子になることも示されています。

さらに、代表的な子どもの睡眠障害に、睡眠時無呼吸症候群があります。子どもの睡眠時無呼吸症候群の主な原因は、アデノイド・扁桃肥大です。3-6歳の児童に最も多く、肥満よりむしろやせ型の子供に多いのが特徴です。症状としては、夜間のいびきや無呼吸・睡眠中の陥没呼吸・起床時の不機嫌などがみられます。この年代は習慣的に昼寝をすることが少なくないので、日中の過眠よりも多動・衝動行為・学習障害などがみられることが多いといわれています。

睡眠不足にならないようにするためには、「睡眠問題」のうち「睡眠習慣」の改善が身近な方法となります。すでに「睡眠障害」の方には、薬の処方も必要になるかもしれません。日中の軽い運動、夕食の時間、遅い時間にスマホを見ないなどのできることから始めましょう。

 

 

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