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プロが語る「食品通販」の世界 vol.022

検索結果の1位表示を達成した場合、十分な「集客数」を確保できるか?

前回のコラムでは、ネットショップの新規集客における「優先順位付け」についてお伝えしました。まずは、「1.Yahoo!やGoogleといった検索エンジン経由で集客する手法」からスタートし、十分な集客数を確保できない場合は「2.Yahoo!やGoogleといった検索エンジン以外から集客する手法」を足していくことが基本となります。検索エンジン経由の顧客は「目的買い(目的来店)」であり、これらの顧客を獲得することが第一歩となります。

1.Yahoo!やGoogleといった検索エンジン経由で集客する手法

(1)SEO対策
(2)リスティング広告

2.Yahoo!やGoogleといった検索エンジン以外から集客する手法

(1)メディア(4大メディア)
(2)プレスリリース
(3)実店舗からの誘導

3.どちらにも影響を与える手法

(1)ブログ
(2)アフィリエイト

なぜ、「客単価アップ」よりも「客数アップ」を優先すべきなのか?

さて、前回のコラムにご質問をいただきました。いただいたご質問は、「なぜ、客単価アップよりも客数アップを優先すべきなのか?」というものです。これは、非常に重要なテーマです。今回のコラムより各新規集客手法の重要なポイントをお伝えしていく予定でしたが、この部分を理解できなければ、気持ちよく新規集客に取り組むこともできないため、今回のコラムではそちらの回答を優先したいと思います。

このコラムを通して、絆会員の皆様にネットショップの売上アップを達成していただくわけですが、漠然と「売上」を考えていても何も対策は生まれません。「売上が伸びない」とただ悩んでいるだけの時間は無駄であり、そのような感情を少しでも早く「なぜ、売上が伸びないのか?」という前向きなものへと転換させていかなければなりません。つまり、売上自体ではなく、「売上を作っている要素」に注目して売上の因数分解を行うのです。
売上における最も単純な公式は「売上=客数×客単価」であり、実際にこの式を活用している方も多いと思います。上記の公式から分かる売上アップの施策は、以下の2つになります。

  1. 1.客数アップ
  2. 2.客単価アップ

1つ目の施策が、「客数アップ」です。「既存客」だけで満足できる売上を確保できているのであれば客数アップの必要はありませんから、基本的に客数アップに向けた活動とは「新規客の獲得」を狙って行われます。獲得した新規客とは自社における購買経験がない顧客のことですから、既存客に比べて購買に慎重です。これは自社自体に対する「信用の問題」ですから、当然の消費行動と言えます。購買に対して慎重ですから、「ついで買い」や「まとめ買い」は期待できません。そのため、既存客のみが来店していた時よりも、結果として客単価は落ち込むことになります。

2つ目の施策が、「客単価アップ」です。最も単純な客単価アップ策は、「値上げする」「押し売りする」ということです。なお、客単価アップをするというのは「既存客」に対するアプローチであり、ここでは「新規客」の存在は一切関係ありません。このようなアプローチは、結果としてどのような事態を招くでしょうか?既存客は自社における購買経験のある顧客のことですから、「値上げする」「押し売りする」といった店舗姿勢を敏感に察知します。店舗側が思っている以上に、顧客は店舗側の姿勢を見抜いているものなのです。こういった姿勢に喜びを感じる顧客はまずいませんから、結果として既存客数が減少していくことになります。そのため、客単価アップを図ったことにより客数が減少するという結果を招きます。

以上のように、客数アップと客単価アップは両立しないケースが多いのです。無理な行動をすればするほど、数値は反比例していくのです。それでは、どのように対策を行えばよいのでしょうか?
結論から述べれば、「客数アップを優先する」ことです。一時的に店舗全体としての客単価が落ち込むとしても、新規客の獲得を優先するのです。客単価アップを優先した場合、既存客数が減少していき、最終的に売上もジリ貧になってしまいます。そこで、既存客に対する客単価アップ施策を行う前に、新規客の獲得を積極的に行うことで店舗全体の客数を伸ばしておくのです。その後に客単価アップ施策に取り組むことで、大きな売上アップが期待できます。
世の中の多くの店舗は、客数が少ない要因で売上作りに苦しんでいます。客数さえ増えれば、多くの店舗が救われるのです。客単価ではなく、まずは客数ありきなのです。

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