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プロが語る「食品通販」の世界 vol.017

顧客には「予算」がある!予算と合わなければ購入しない!

ネットショップは1つのお店ですから、「誰が、何を、誰に、どうやって売るのか?」というマーケティングの基本は変わりません。つまり、「①売り手」×「②売り物」×「③売り方」の3つの掛け算によって業績が決まることは、皆様の既存事業と同じなのです。前回のコラムより、最も重要な要素である②売り物についてお伝えしています。売れないものは、何をしても売れないのであり、売り物の選定と磨き込みが重要なのです。
前回のコラムでは、「粗利率」の設定についてお伝えしました。ネットショップという商売は「売上に占める固定費の割合が低く、変動費の割合が高い商売」です。販促費10%、物流費・保管費15%、決済手数料5%、この3つだけでも売上の約30%の変動費がかかるのです。そのため、最低でも粗利率50%を確保することが重要であり、一部の顧客に熱狂的な支持を得るような「尖った商品開発」が必要になります。
さて、そんな売り物ですが、粗利率の設定だけではなく、「販売価格」の設定も重要です。商品力は価格と価値のバランスではありますが、「魅力的な商品であれば、販売価格がいくらであっても購入する」ということではありません。顧客は「予算」を持っており、どれだけ魅力的であっても予算と合わなければ購入しないのです。つまり、様々な顧客のニーズに応えようと思えば、各々の予算に合わせた商品ラインナップを持つ必要があります。
人間というのは、1、2、3、5の数字で予算を持つことがわかっています。つまり、1,000円、2,000円、3,000円、5,000円、10,000円…といった形で予算を持つということです。「4,000円でお返しをしよう」や「7,000円でお祝いをしよう」といった顧客はいないのです。ここで重要になるのが、「予算帯」という考え方です。顧客は予算ピッタリの金額を買うわけではなく、予算以内でなければ買わないというわけでもありません。

  1. 1,000円予算:800~1,799円
  2. 2,000円予算:1,800~2,699円
  3. 3,000円予算:2,700~3,999円
  4. 5,000円予算:4,000~7,999円
  5. 10,000円予算:8,000~17,999円

上記が、顧客の予算と予算帯です。予算帯とは、その予算の顧客が購入する金額の幅になります。1、2、3、5で予算は続きますので、20,000円予算の予算帯は18,000~26,999円、30,000円予算の予算帯は27,000~39,999円のように続いていきます。これを見ていただくと、予算以上の金額にも手を出すことがわかります。これらの予算に合わせた販売価格、そして商品ラインナップの用意が重要になるのです。

「高額予算」に対応していない食品ネットショップが多過ぎる!

予算と予算帯をご理解いただいたところで、絆会員の皆様にお考えいただきたいことがあります。皆様のお店には、10,000円予算の顧客が購入できる商品はありますか?つまり、8,000~17,999円の商品はありますか?例えば、20,000円程度のお祝いをいただいた方への半返し、10,000円程度の予算で各自がプレゼントを持ち寄るパーティーへの参加、こういった際に顧客は10,000円予算の商品を購入する「必要」があるのです。
「このお店で買おうと思ったけど、6,000円の商品が最も高価だからこれでいいか!」とはならず、そのような場合には他のお店で10,000円予算の商品を探すことになります。つまり、予算に合わせた販売価格の商品を用意していなければ、その顧客の購入を逃すことになるのです。消費が二極化する中で、10,000円予算の購入は非常に伸びています。こういった高額予算に対応することで、しっかりと需要を獲得することが重要です。

例えば。。。私の指導先に、宮崎県の食品メーカーである(有)オー・エヌフーズ様があります。自社ブランド地鶏である「妻地鶏」の飼育から加工まで行っており、今年ネットショップ事業に参入しました。一番人気は炭火焼2品+選べる1品の「妻地鶏+1セット3,800円(税込)」という3,000円予算の商品ですが、全13品が入った「妻地鶏コンプリートセット19,500円(税込)」という20,000円予算の商品まで幅広く予算に対応しています。その結果、様々なギフト用途でも利用され、ネットショップの売上も順調に伸びています。

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