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2.222022
プロが語る「食品通販」の世界 vol.034
2.Yahoo!やGoogleといった検索エンジン以外から集客する手法
(3)実店舗からの誘導
4回に渡り、「2.Yahoo!やGoogleといった検索エンジン以外から集客する手法」である(1)メディア、(2)プレスリリースについて解説しました。食の業界において、メディアの持つ力は非常に大きなものです。WEBを通した広いメディアへのアプローチ、候補のメディアに対する1to1のアプローチ、この2つを併用し、メディアを有効活用し、業績アップの起爆剤にしましょう。 「2.Yahoo!やGoogleといった検索エンジン以外から集客する手法」の最後は、「実店舗からの誘導」です。実店舗からの誘導とは、実店舗からPOPや配布物を通してネットショップに誘導する施策のことです。QRコードの浸透によって、紙からモバイルのネットショップへの誘導が容易になりました。実店舗を展開している企業にとっては、有効な集客策の1つとなっています。
弊社の支援先に、熊本県の食品メーカーである(株)千興ファーム様があります。馬の生産~加工~卸売~小売店・飲食店まで展開している会社であり、「菅乃屋」という屋号で熊本県内に飲食店を4店舗展開しています。馬肉が熊本県の名物ということもあり、県外客の方々も多く訪れますが、地元客の会食にもよく利用されることが特徴です。この会社では、POPを活用して飲食店からネットショップへの誘導を図っています。
(株)千興ファーム様は、馬肉販売における大手企業です。しかし、全国的に見れば馬肉の流通は限定的なものです。そのため、馬肉関連キーワードの検索エンジンにおける検索数は極めて少ないのです。(株)千興ファーム様は「馬肉専門店 菅乃屋」というネットショップを運営していますが、このネットショップの客数アップが大きなテーマでした。そこで、その客数アップを図るにあたり、既存の飲食店に注目したのです。 飲食店は「滞在時間」の長い業態ですし、実際に飲食店で食事をした顧客は自社商品の「品質」を理解しています。そのため、ネットショップへ誘導することは、それほど難しいことではありません。県外客の方々の土産需要はもちろんのこと、地元客の方々の県外送りも多く獲得できており、今では飲食店からの誘導がネットショップの主要集客経路の1つとなっています。その結果、通販の年商は4億円を超える規模へと成長しています。
(株)千興ファーム様のように飲食店から直接的にネットショップへの誘導を図る会社もあれば、2ステップでの誘導を図る会社もあります。大阪市中央卸売市場にある(株)三恒様は、食育をテーマにした「ざこばの朝市」というイベントを開催しています。そこで、LINE@への登録を促し、その後にLINE@を通してネットショップへ誘導するという2ステップの形となっています。
飲食店とは異なり、イベントにおける1店舗あたりの「滞在時間」は極めて短いものです。そのため、POPのような形での誘導は難しく、LINE@を通した2ステップの誘導を図っているのです。LINEは年配の方の利用率も高く、LINE@への登録もほぼ説明は必要ない状況となっています。LINE@経由が主要集客経路の1つとなり、通販の年商は2億円を超える規模へと成長しています。
経営者・経営幹部の皆様にとって、各事業の相乗効果を発揮させるというのは重要な視点でしょう。実際、上記のような取り組みを進めようと思うと「飲食店の売上が奪われる…」「飲食店側のメリットがない…」「イベントだけでも大変なのに…」などといったセクショナリズムが発生しますが、全社的に見ればメリットしかない取り組みなのです。ぜひ、評価のあり方から見直しを図り、全社最適を追求していきましょう。
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