新着メディア情報
11.212018
廣瀬先生の徒然日記 vol.014
鍋物と栄養~免疫力を高めて風邪予防~
だんだん秋が深まり、鍋の美味しい季節になりました。
ここ数年、いろんなメーカーから多種多様の「鍋つゆ」「お鍋の素」が発売され、しかも、ファミリー用だけでなく一人鍋もできる容量のものが市販されるようになりました。材料を切るだけ、あるいは、すでにカットされた材料も市販されており、ほんとうに便利になったもんです。よく聞くお鍋(寄せ鍋など)だけで無く、ご当地鍋も、セットになって市販されていますし、最近になって耳にするトマト鍋やカレー鍋なども手に入ります。みなさん、どんなお鍋がお好みですか?
どのようなお鍋であっても、多くの場合は、多様なお出汁と様々な具材を使用し、煮て食べますよね。
お鍋は、わざわざ出汁や「鍋つゆ」「お鍋の素」を使わなくても、具材からの「うま味」でも美味しくなります。肉や魚のイノシン酸、野菜のグルタミン酸が煮ている間に水に溶け出すからです。
イノシン酸とグルタミン酸は、両方合わさると最強の「うま味」になります。貝類が加わるとコハク酸もプラスされます。
「うま味」があると、塩分が少なくても美味しい味になるので、減塩の手助けになります。
食塩の摂り過ぎは、高血圧ばかりでなく、直接に脳卒中や心臓病、腎臓病などの原因にもなります。また、日本人に多い胃がんや骨粗鬆症などの原因にもなることも分かっています。
塩分摂取の目安ですが、日本高血圧学会は、高血圧の予防のために、血圧が正常な人には「1日6g未満」の食塩制限を勧めています。特に糖尿病や慢性腎臓病の人には、循環器病や腎不全の予防のためにも、「1日6g未満」の減塩を推奨しています。「夜間頻尿」すなわち、「夜にトイレが近い」「夜、トイレに行くために何度もおきてしままう」という人は、原因の1つとして塩分のとりすぎが言われていますので塩分摂取量を下げてみてください。実験では、食事指導によって減塩すると(平均11g/日から8g/日に減らす)、1晩の排尿回数は平均2.3回から1.4回に減少したと報告されています。また、塩分を取りすぎると食欲が増進するという報告もあるので、ダイエットしたい人は減塩するといいです。
高血圧の予防のためにも食塩制限を―日本高血圧学会減塩委員会よりの提言(2012年7月:2016年6月修正)
高血圧の治療においては食塩制限が重要で、日本高血圧学会は1日6g未満を推奨しています。食塩と高血圧の関係はよく知られていますが、食塩摂取量が非常に少ない地域では高血圧の人はみられず、加齢に伴う血圧上昇もほとんどないことが示されています。食塩制限は、正常血圧の人にとっても、高血圧の予防のために意義が大きいと考えられます。日本では塩分の摂取がまだ多く、一般の人の食塩摂取量について、男性は1日8g未満、女性は7g未満とされていますが、欧米のいくつかの国では、一般の人にも6g未満を推奨しています。また、世界保健機関(WHO)も、すべての成人の減塩目標を5gにしました。
正常血圧でも高めの130-139/85-89mmHgは正常高値血圧と呼ばれ、より低い血圧に比べると循環器病の危険性が高く、高血圧になりやすいことから、食塩制限を含む高血圧に準じた生活習慣の修正が勧められています。また、糖尿病や慢性腎臓病の人は、正常血圧でも循環器病や腎不全の危険性が高いことが知られており、予防のために食塩制限が重要と考えられます。したがって、日本高血圧学会減塩委員会は、高血圧の予防のために、血圧が正常な人にも食塩制限(可能であれば1日6g未満)をお勧めします。特に糖尿病や慢性腎臓病の人は、循環器病や腎不全の予防のためにも、1日6g未満の減塩を推奨します。また、大人になっての高血圧や循環器病を防ぐためには、子供の頃から食塩を制限することが望まれます。
ほとんどの日本人は必要量をはるかに超える食塩を摂取しており、減塩による健康障害は起こりません。しかし、低血圧や起立性低血圧で立ちくらみがある場合など、一部の病態では食塩摂取は多いほうがよいこともあります。また、夏に塩分摂取を増やすことは、通常は必要ありませんが、汗を大量にかいた場合は例外となります。
日本高血圧学会のホームページはコチラ
年をとると共に免疫力が低下し、風邪を悪化させてしまう人が多くいます。
ウイルスなどの外敵からからだを守る抵抗力、免疫力を高めておくことが有効です。そのためには栄養バランスの取れた食事をすることが基本ですが、お鍋は、肉類、魚介類、野菜類など豊富な食材をバランスよく摂取できる料理です。風邪やインフルエンザを予防するには、特に不足しないように気をつけたいのは、ビタミン類とカラダのもとになるタンパク質です。肉類、魚介類、野菜類などからビタミン類を、肉類、魚介類からタンパク質を摂取することができます。ビタミン類では、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEが大切です。いずれも体内で発生する有害な活性酸素の働きを防ぐ抗酸化作用があり、免疫細胞の機能低下を防ぎます。ビタミンAには鼻やのどなどの粘膜の保護機能を高める働きもあります。ビタミンAはあんこうの肝や緑黄色野菜、ビタミンCは緑黄色野菜に、ビタミンEはあんこうの肝、鮭などに豊富です。
ところで、鍋によく登場する白菜ですが、カリウム、ビタミンC、食物繊維、イソチアネートが含まれています。大根はビタミンA、C、K、葉酸、カルシウム、食物繊維、イソチアネートです。白菜と大根の両方に含まれているイソチアネートは、辛味成分で消化を助け、血栓ができにくくなる効果だけでなく、がんを防ぐといわれています。大根のイソチアネートを有効に摂取するには、大根おろしにするのがいいですよ。イソチオシアネートは大根をすりおろしたり、切ることで、大根の細胞が壊れると化学反応により作られるからです。だから、イソチオシアネートを摂取するには、大根おろしとポン酢醤油で、お鍋を食べると効果的ですね。
ちなみに、私は、出汁はあっさりにして(かつお、昆布、あご、煮干など)、特に濃い味つけにはしないで、ポン酢醤油で食べる派です。ポン酢醤油は、市販のものを2、3種類常備しており、気分で変えて使用しています。それだけでなく、自分で作ってしまったりもします。とっても簡単だし、フレッシュなので香りもいいし、絞った後の柑橘類はバスタブに入れるので、一石二鳥です。
手作り 自家製ポン酢
レシピは2通り。どちらも美味しくできます。
1)お出汁が軽く沸いたら、醤油に砂糖と米酢を加えて、絞った果汁を入れるだけ。
2)保存容器に醤油、砂糖、果汁を合わせて、そこに削り節と昆布を加えて冷蔵庫で寝かしておく。果汁は、市販のものでもいいですが、レモン、カボス、ゆず、グレープフルーツ、ライム、オレンジ、みかんなど、お好みのものを搾って組み合わせると楽しいし、好きな味と香りに仕上げることができます。
柑橘類の搾りかすを有効活用する
絞ったあとは、入浴剤に。入浴剤にする場合、そのまま入れてもいいのですが、できれば乾燥させると日持ちもするのでお勧めです。乾かす場合は、皮をちぎって、野菜乾燥用のネットや籠に広げて天日干しするか、レンジで乾燥させるといいでしょう。お風呂で使用する場合は、お茶パックに入れて浴槽に浮かべると回収が楽になります。柑橘類を入浴剤にすると、アロマによるリフレッシュ効果、血行促進、風邪予防、新陳代謝を促す、美肌効果、リウマチや神経痛の予防と改善などが言われています。
かつ、入浴後は柑橘類の入った袋で、お掃除もできちゃいます。柑橘類にはクエン酸、リモネンが含まれています。水垢などのアルカリ性の汚れには、クエン酸が有効ですし、油汚れにはリモネンが有効です。柑橘類だけを入浴剤にするのもOK。柑橘類プラス粗塩を加えるのもいいですよ。粗塩を入れると、電解質が発生し、お肌をコーティングします。そのため、体を保温し、湯冷めしにくくなります。そして、末梢血管に働きかけて血行を良くし、発汗作用を促すという作用があります。
今年の冬は暖冬と予想されていますが、気を抜かないで風邪をひかないように、冬を過ごしましょ。
[template id=”119″]
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。