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廣瀬先生の徒然日記 vol.019

あちこちで桜開花ニュースが聞こえる今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。
卒業や入学、入社など、春の季節は大きく環境が変わり、人との出会いや別れがある季節です。
また、この季節は花粉の飛散や三寒四温など外環境によっても体調を崩しやすくなります。

ある精神科医師は、この時期、新たな精神疾患の患者が増えたり、もともとなんらかの精神疾患がある方の状態が悪化したりする傾向にあるといいます。やる気が起こらない、気持ちが落ち込むといった「うつ」、寝つきが悪い、夜中に何度も起きる、朝方早く目がさめるといった「睡眠障害」、不安感や焦燥感が増し、感情が不安定になるといった症状を訴える人も少なくありません。このようなメンタル面だけではなく、体がだるい、めまいがする、胃の調子が悪く食欲が出ない、便秘や腹痛、下痢といった合併症が出る人もいます。

また、春の時期は一年のうちで最も自殺者が多い時期でもあります(図1:厚生労働省と警察庁の報告より)。なぜ、春の季節に自殺者が多いのかは、まだ回答がでておらず専門家によって議論されています。よく「五月病」との関連が言われていますが、五月病と自殺の関連は相関関係にあるという人もいれば、関係はないという人もおり、本当のところはわかっていません。その一方、最近は「約束破りの効果(broken promise effect)が注目されています。「約束破りの効果」とは、希望や夢を持って進学、就職など新しい環境に身をおいたのに、夢と現実のギャップが生じ、それが自殺の引き金になるのでは?と考えられているのです。

 

つまり、特に春が新年度である日本では、新しい学校、クラス、職場や、人間関係に関連して期待・奮起する人が多くなります。しかし、それが期待通り、思い通りにならず、環境や人間関係にストレスを感じるということだそうです。

「約束破りの効果」に限らず、どのようなストレスも、ストレッサー(ストレスの原因)もいかに対処するかが大事です。人間は何らかのストレスを感じると、その状態から脱するための対処行動を本能的に探ります。その対処行動は、大きく2つに分けられており、1つは「ストレスへの対処」、もう1つは「ストレッサーへの対処」です。ストレスと上手く付き合っている人は、この2つを上手く組み合わせながらストレス状態から脱しています。「ストレスへの対処」は、落ち込んだ気持ちを元に戻す対処で、いわゆるストレス発散を言います。外に出かけたり、愚痴を言ったり、趣味に没頭したり、お酒を飲んだり、落ち込んだ気持ちをスッキリさせる為の行動をとります。私は、スッキリする為には、体力も重要ですので、「快適な睡眠・十分な栄養を取る→体力回復→ストレス発散→快適な睡眠・十分な栄養を取る」というサイクルを取るように心がけています。ストレスを少しでも感じる人は、自分は大丈夫と思わず、週末の休みを有効に使って心がポジティブになるようにストレス発散に心がけましょう。

次に、「ストレッサーへの対処」、つまりストレスの原因となっている問題について、いかに対処するかを考える必要があります。そのためには、「自分はいったい何にストレスを感じているのか?」を考え、整理してストレスの原因を明確化することが必要です。「職場のストレス」「学校のストレス」「将来への不安」「家族の問題」などのように漠然と捉えるのではなく、より具体的に整理するのがよいです。たとえば、「学校の友達との関係なのか」「学校の勉強がわからないのか」「上司(あるいは部下)との関係なのか」「仕事の量が多いのか」「仕事の室の問題なのか」「夫婦関係何かに問題があるのか」「子育ての何に問題があるのか」「金銭的なトラブルがあるのか」など、具体的に考え、整理し、ストレスの原因を明らかにしましょう。ストレスの原因が明らかになれば、「その問題を解決するには、自分は何をどうすればよいのか」を考え、実行にうつす。これが、ストレスの原因となっている問題を解決する対処です。しかし、学校環境。職場環境、家庭環境に存在するストレスの原因への根本的な対処は、通常、精神的・肉体的体力も時間も必要になり、一人きりでは原因を除去する事は困難である場合も多々あります。適切な人への相談や協力、あるいは専門家などへの相談も必要になるでしょう。原因対処にたいしてエネルギー切れしないように、いったん休憩してエネルギー補充ながら、ストレス発散もすることが必要になります。「今は考えないでおこう」とか「夏休みは十分休む」とかも必要です。

 

先に述べましたが心のバランスを整えるには、
「快適な睡眠・十分な栄養を取る→体力回復→ストレス発散→快適な睡眠・十分な栄養を取る」
という
サイクルはとても重要です。

 

1:栄養バランスの良い食生活

ビタミンやミネラルが豊富な野菜や果実が不足しないようにしましょう。良質な蛋白質も身体をつくる上で大切です。また、疲れを解消するには、細胞やタンパク質を傷つける活性酸素の発生を抑え、代謝を助ける栄養素をとって疲労回復システムを修復することが必要です。以下に、代謝を助け、抗酸化物質を含む栄養素を紹介しましょう。

また、自律神経のバランスを整える食材としては、GABA(脳や神経をリラックスさせるために使われる)を摂取できるトマト、ビタミン類が多い緑黄色野菜、トリプトファン(気持ちをリラックスさせる「セロトニン」を作る為に必要)が豊富な乳製品などもよいでしょう。

2:生活のリズムを整える

「起床時間」「就寝時間」「食事の時間」、この3つの時間をなるべく同じ時間になるように心がけましょう。ただし、無理の無い範囲で、自分に合ったリズムで生活して下さい。生活リズムを整える事で、自律神経やホルモンバランスも整えられます。また、体温調節も重要です。着衣や室温等、適温になるようにしましょう。

3:休養をとる

週末、休日には、ゆったりと過ごす事も必要です。プライベートや家族サービスも大切ですが、何もしない、あるいは自分の趣味などでストレス発散をすることも重要です。自分なりのリラック方法でストレスの発散や体力回復をして過ごしましょう。また、休日だからといって、寝すぎるとかえって生活がリズムがくるって体力回復はできません。快適な睡眠を取る事とは、寝過ぎではありません。


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