新着メディア情報
7.32020
廣瀬先生の徒然日記 vol.029
みなさま。ようやく緊急事態宣言が解除されましたね。解除されたとはいえ、ウイルスと共存しながら日常生活や経済活動を行うため、感染症対策に気を配りながら楽しく過ごしましょう。この数ヶ月、「不要不急の外出は控える生活」で、いろいろと気分転換を工夫されていると思います。
この時期の家庭内での気分転換のお勧めは、いわゆる昔ながらの「手仕事」、特に「梅」はお勧めです。「梅」の手仕事といえば、梅酒、梅シロップ、梅干し、梅ジャムなどです。この時期に作っておけば、しばらく楽しめます。それに、日本の伝統食材「梅」には、身体に嬉しい様々な効果があります。特に、梅の栄養面で特徴的なのは、有機酸が多いことです。疲労回復などに有効なクエン酸、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸、その他各種有機酸が豊富に含まれています。それに、梅の栄養価値は果物の中でも優れており、タンパク質やビタミン、カルシウム、カリウム、リン、鉄などのミネラルも豊富に含まれています。今月は、そんな梅の健康効果についてご紹介します。
梅の歴史
「梅」は、日本では古くから親しまれてきた果物です。奈良時代には、菓子に加工して食べていたといわれています。平安時代中期には、梅干の原型ともいえる梅の塩漬けが書物に現れます。江戸時代に入ると、梅干のシソ漬けが普及し始め、梅を砂糖漬けにした甘露梅などさまざまな梅の漬け方がされるようになったそうです。
梅の実の特徴
「梅」はバラ科サクラ属です。熟しても甘くならず強い酸味が特徴です。梅の実は果実ですが、生で食べることはできません。生の梅で未熟な青梅の種子には「アミグダリン」(青酸配糖体)という成分が含まれていて、体内に入り酵素によって分解されると、青酸を生じ中毒症状(めまいや呼吸困難)を引き起こします。そのため生のまま食べる事は出来ず、加熱またはアルコールや塩漬けにして食べられる状態にして保存します。しかし、毒があるのは幼い青梅だけであり、熟すにつれて梅のアミグダリンは減少し、完熟梅だとアミグダリンが少量なので食べても大丈夫だそうです。また、梅酒や梅干しなどの加工を施されることにより、健康に影響のない量になるのです。
梅の効能
<ミネラル>
ミネラルは、五大栄養素の1つで、人にとって必須なのですが、人の体内で作ることはできないため食物から適度な量を摂取することが必要です。梅に含まれるミネラルは、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛、銅、マンガンです。特に、梅は果物の中では、カリウムと鉄が豊富で、同じバラ科のリンゴと比べると、カリウムは2倍、鉄は6倍多いそうです。カリウムは神経や筋肉の興奮伝達に必要なものですし、鉄はヘモグロビン(赤血球の赤い色素。酸素を運ぶ機能をもつ)の構成しており、妊娠や月経に時には必要量が増えます。
<有機酸>
梅には、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、ピクリン酸、ピルビン酸などの有機酸も含まれているため、酸性に傾きがちな体を中和し、アルカリ性に保ってくれるそうです。体がアルカリ性に近づくと、血液やリンパの流れがよくなり、抵抗力や免疫力がアップするので、病気になりにくくなります。
現代の食生活ではどうしても酸性食品を多く摂りがちです。ご飯やパンなどの主食や肉や魚などの食品は、その多くが酸性食品です。体液が酸性化すると血液はドロドロになって毛細血管の流れが悪くなり、血行不良などを引き起こす原因となります。またクエン酸などによる疲労物質(乳酸)を分解する機能が充分働かず、筋肉等に乳酸が蓄積され老廃物も溜まり、血行不良などの悪循環で免疫力も低下し病気にかかりやすくなります。そのため、健康維持のためには、体の酸性とアルカリ性のバランスをとることが重要で、理想的には体液を弱アルカリ性に保つことが必要です。そのためには、アルカリ性食品を食べて、酸性を中和させることを心がけましょう。梅は、体液を弱アルカリ性にするにはとても優秀な食品といわれており、牛肉100グラムを食べた場合、梅干し5グラム(1個から1/2個)で十分だそうです。血液がサラサラになると、血栓や動脈硬化への予防が期待できますし、老廃物を排出しやすくなりますから、美容・美肌にも期待できます。
また、クエン酸とリンゴ酸は、カルシウムが可溶化されて吸収がよくなることがわかっています。カルシウムが必要な成長期の子どもや骨粗しょう症が心配な高齢者や女性にも嬉しい働きですね。
<梅の保存方法>
梅の保存方法としては、梅酒、梅干し、梅シロップ、梅ジャムが一般的なのだと思います。私は梅干しを作ったことがありませんが、保存の期間や栄養を考えると、とても良い方法です。
収穫後も追熟が進み傷みやすいので、新鮮な内、なるべく早めに梅干しや梅酒などに加工して、保存しましょう。 青梅の場合はできるだけ早くの加工をしてください。
もしも、すぐに加工できない場合は、常温の冷暗所で保存します(10度程度の環境だと少しの間日持ちがします)。冷蔵庫で保存すると、低温障害を起こし表面の陥没や褐色化を起こすことがあるため、冷蔵庫での保存は避け加工するまでの間新聞紙などに包み出来るだけ涼しい所に保管しましょう。 私は、早く梅酒を飲める状態にしたいので、冷凍保存してしまいます。
1. 青梅を水洗いし、たっぷりの水に2~3時間浸けてアク抜きします。
2. 水を切り、キッチンペーパーで水を拭き取り、ヘタを取り除いてから、フォークで数カ所穴を開けます。
3. ジップロックに入れて冷凍庫へ。
4. 数日後、梅シロップ、梅酒、梅ジャムにするため冷凍のまま仕込みます。
今年は、ブランデーで梅酒を漬けました。この後、サクランボとプラムを付け足します。 出来上がりが楽しみです。 みなさんも、初夏の手仕事をいろいろと試してみてください。
[template id=”119″]
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。