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プロが語る「食品通販」の世界 vol.008

「CPO」と「LTV」のバランス! それこそが、ネットショップの全てです!

前回のコラムでは、ネットショップ参入前に知っておくべき「特に重要な5つの覚悟」について解説しました。
(※前回の記事はコチラ)

  • 「全国に向けて店を作ること」
  • 「店長が必要であること」
  • 「新しいことを否定しないこと」
  • 「先行投資が必要であること」
  • 「経営者が主体的に関わること」

の5つの覚悟です。
売り物や売り方以前の問題として、覚悟で大きく差がつきますので、絆会員の皆様には正しい覚悟を持っていただきたいと思います。

さて、今回からはネットショップに関して、より具体的な内容を解説していきます。

講演会等で「食品のネットショップにおいて最も重要なことは何ですか?」という質問を受けることがありますが、
私は必ず「CPOとLTVのバランス」と回答しています。
今回のコラムで解説する内容は、ネットショップの根幹であり、それこそが成否を分ける全てと言っても過言ではありません。
ぜひ、しっかりとご理解いただきたいと思います。

1.CPO…新規客1件を獲得するのにいくらの販促費をかけるか?

ネットショップにおいて、重要な指標の1つが「CPO」です。
CPOとはCost Per Orderの略であり、「注文1件あたりに必要となる費用」のことです。
CPAという言葉を使う方もいますが、意味合いとしては同じことです。注文1件あたりに必要となる費用ですので、本来は新規客だけを対象とした言葉ではありませんが、ここでは「新規客1件を獲得するのに必要な販促費」という形でご理解いただければと思います。

CPO(Cost Per Order)

読み方:シー・ピー・オー
意味:顧客獲得費用のことをCPOといいます。
計算式:CPO = 広告費 ÷ 購入人数
効果:CPOは顧客獲得にかかった全体の費用であるため、広告以外での顧客獲得比率を高めることでCPOは下がる傾向にあります。

2.LTV…獲得した顧客が一生涯にいくらの利益をもたらしてくれるか?

もう1つの重要な指標が「LTV」です。
LTVとはLife Time Valueの略であり、日本語では「顧客生涯価値」と訳されています。
「獲得した顧客が一生涯にもたらす利益」のことであり、リピート率、購買頻度、客単価、粗利率、継続購入期間等の総合的な指標として用いられます。実際には、一生涯という期間で数値を算出することは難しいため、1年間等の期間に絞って数値を算出し、評価を行うことが多いです。

LTV(Life Time Value)

読み方:エル・ティー・ブイ
意味:顧客生涯価値のことをLTVといいます。
計算式:LTV = 平均注文単価×粗利率×年間利用回数×平均利用年数
効果:1人の顧客が取り引きを始めてから終わりまでの期間(顧客ライフサイクル)を通じて、その顧客がお店にもたらす損益を累計して算出したマーケティングの成果指標のことをいいます。言い換えると、1人のお客様が、あなたのお店でどれくらいのお金を使ってくれるのか?と訳される場合も多くあります。

CPOを下げる活動、LTVを上げる活動! 全ての対策はそのどちらかです。

CPOが新規客1件を獲得するのに必要な販促費、LTVが獲得した顧客が一生涯にもたらす利益のことですから、「CPO<LTV」となっていれば儲かることになります。もちろん、その場ですぐに儲かるとは限りませんが、いつの日か儲かる、つまりは販促費が回収できるということです。
そのため、「CPOを下げる活動」、「LTVを上げる活動」が重要であり、普段行っている販売促進というのはそのどちらかを目指した活動ということです。
例えば、「当たるチラシを作りたい」「当たる新聞広告を知りたい」「リスティング広告の良い代理店を見つけたい」「アフィリエイト広告を有効活用したい」等はCPOを下げる活動ですし、「良い客層と付き合いたい」「メルマガのレベルアップを図りたい」「フォローメールを見直したい」「商品同梱物を強化したい」等はLTVを上げる活動になります。

結局、CPOを下げる活動とLTVを上げる活動のどちらかに分類されるのです。

ところが、時流はこの希望とは逆行しています。
インターネット上で広告を行う企業が増えたことにより、CPOは高騰してきています。
ネットショップを行う企業が増えたということは、消費者からすれば浮気する先が増えたということであり、LTVは低下傾向にあります。そして、「CPO>LTV」となってしまっていることに気づかず、「売上を上げればいつかは黒字化する」という希望的観測で走り続け、倒産に追い込まれる会社も出てきました。


しかし、CPOとLTV、つまりは「いくらの販促費で新規客1件を獲得し、どのくらいの期間で回収するのか」が明確であれば、このような事態は避けられるのです。
わんまいる(写真のサイト※クリックでサイトが開きます)の場合、約5,000円/件で新規客を獲得し、約30%の顧客が定期購入に入会し、約6ヶ月で販促費を回収するという流れができています。
だからこそ、計画的に安定的な売上アップを達成できるのです。

CPOとLTVのバランスはネットショップの根幹ですから、まずはこの考え方を理解し、
その上で普段から重要指標として管理を行っていただきたいと思います。

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