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10.182018
ホッタの本音 今週のレポートNO.767
【無印良品の純利益24%増 アジアが好調 旗艦店銀座店オープン決定】
無印良品で衣料品や生活雑貨・食品を幅広く展開する良品計画の3月~8月期連結決算の純利益が、前年同期比24%増の181億円と6期連続で最高を更新。営業収益は前年比10%増の2,012億円と発表。東アジア特に中国と韓国が好調で、国内では下着の他スキンケア用品の販売も伸びた。新たに合成保存料や着色料無添加の冷凍惣菜の販売を行い、海外の好調を強化する施策としてオリンピックを見据えた訪日外国人に向けた旗艦店を銀座にオープンする。消費が伸びている海外に目を向けた展開に注力している。無印良品が冷凍惣菜を取り扱う事で更に冷凍惣菜の認知度が高まり、消費者に誤解された「冷凍惣菜=冷凍弁当」が払拭されます。
【吉野屋1号店閉店 外食産業のビジネスモデルが問われる】
2019年2月期の連結決算赤字が確定した吉野家ホールディングスは、日本版ファストフードの草分けとして知られる牛丼店「吉野家」築地1号店は、築地市場の移転と共に59年の幕を下ろした。「早い」「旨い」のファストフード店、それを補うのは労働力であり、吉野家は外食業界のなかでもコスト全体に占める人件費の割合が比較的高く、人件費上昇が業績に与える影響は大きい。IT化が進み、立ち仕事などを嫌う若者が増え、人手不足はますます深刻な問題になっており、高度経済成長期の豊かな労働力を前提にしたビジネスモデルで、安さを売りにした戦略の限界に直面しつつある。既に海外ではロボット化や無人化の試験が始まり、テイクアウトやケイタリングの利用が増えています。今後は健康志向の中、栄養成分的に見ても牛丼の消費が上回る事は無いと思われます。そこでまず生き残り方として考えられるのは、
①プレミアム化です。過去にお好み焼き店の閉店が続く中、ワンランク上のお好み焼き店「ぷれじでんと千房」を展開して成功を納めた事例を真似る。②海外へ出店して成功を納めた事例を真似る。昨年から牛肉輸入が解禁となった台湾など海外戦略が必須。③牛丼専門店から「丼専門店」と拡大する。高齢者の好きな天丼やかつ丼、海鮮丼などメニューを付加して店舗デザインも一新させる。定食屋への業種転換は避けるべきと前から言っているのに定食を強化したのが失敗だと思う。また、醤油メーカー・鰹節屋の生き残りで成功を納めているのは出汁メーカーへの転換。おなじ「出汁」でも醤油メーカーは醤油・味醂・だしを合わせた調味料に。鰹節屋は鰹・昆布・炒り子など天然素材をブレンドして作った「出汁」メーカーに転換されています。売り方と売る商品も変えていくことだと思います。
【カレー専門店COCO壱番屋さんの3月~8月の純利益前年比5%減の15億円】
一昨年ハウスへ営業譲渡したカレー専門店のCOCO壱番屋の利益を見て、流行ってそうなのに厳しいな。とつくづく思いました。上記の無印良品の利益の10分の1以下です。吉野家ではないが外食産業は本当に儲からないのだと思いました。日本のカレーは、日本独自の食事で海外への展開は難しい。そこでカレーライスだけでなく、朝食用にカレーパンやスープの開発、カレーうどん・そば・炒飯などカテゴリーの横展開やディナー用にサイコロステーキカレー・宮崎地鶏の炭焼カレー・各種煮込みメニューと、ワインの展開などブランドの知名度を生かした朝・昼・夜と立地に合わせた展開が生き残り策だと思います。日本国内において購入頻度が減り、一回当たりの単価が上がっている事も考えないといけません。
【通販サイト LINEで決済】
LINEは2019年6月にも、他社の衣料品や食品などインターネット通販サイトに決済機能の提供を始める。LINEペイのIDで、商品を買うたびに住所や電話番号を入力しなくても本人確認でき、LINE内にチャージしたお金で自動的に支払いが出来るようにすると発表しました。現在コンビニや飲食店など店舗でスマホ決済する「PAY(ペイ)」の利用を勧めていますが、既にネット通販ではカード決済が一般的なのでペイでの決済は増えず、LINEを利用した物販や写真投稿サイトのインスタグラムやフェイスブックも物販の売上へ繋がっていないのが現状です。フェイスブックではマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)と配下に入ったインスタグラムの創業者2名が会社の新方針などを巡る意見対立の末、辞職して話題となりました。
【日本でも一時話題となったH&Mが先進国で閉鎖を加速 ネットへシフト】
今週は無印良品以外厳しい報道が目に止まりました。久々に名前を聞いた一時話題となったスウェーデンのカジュアル衣料品店H&Mが通販へシフトを切り替え店舗の閉鎖を加速させていると発表した。先進国の不採算店を閉め、新規出店は市場の開拓余地が大きい新興国に注力する。H&Mとは反対に日本にすっかり定着した「GAP」は凄い。サイトと店頭とポイントカードをバランスよく運用して、若い女性やママさんを取り込み業績を拡大しています。既存カテゴリーへの付加も重要なテーマだと思います。
【ユニクロ ネット通販の速さ追求】
ゾゾタウンなどのネット通販と競合が激しい衣料品業界。ユニクロはインターネットで注文した際、店舗受け取りの顧客を対象に在庫があれば最短1日で受け取れるようにし、来店時のついで買いも期待でき、顧客満足度を高める。また物流機械大手ダイフクと戦略的なパートナーシップを結び、最新鋭の自動化設備を取り入れ、ICタグによる検品・保管・仕分けを自動化し保管効率は3倍になり、省人化率は90%に高まり、最短15分で出荷する。これにより台風や地震の影響を極力少なくできる。この事で配送経費を大幅に抑えられるとコメント。まさに一石二鳥の施策だと思う。わんまいるでも将来県ごとに惣菜製造工場と契約して出荷すれば配送コストは抑えられ早く届けられる。
【国際通貨基金が2年ぶりに世界経済見通しを下方修正】
米国発の貿易戦争により世界の輸出入が減速して、米国の利上げが過大債務の新興国の景気を下押しする。2008年の金融危機後の景気回復は転換期に差し掛かり、国際協調は身動きがとれず財政余地も厳しくユーロ圏も日本も中国も成長鈍化の兆しがあると発表した。そもそもアメリカが主導となり始めた金融政策により余ったお金が新興国の投資に回り、経済を急成長させたがその債務金利が上がれば景気は悪くなる可能性が考えられるのは当然であり、あまりにも短期間で新興国は発展し過ぎた感はある。0.2ポイントの下方修正で3.7%に減速するのはまだ序の口で、成長している間に日本経済を立て直さなければならない。先日尾鷲で一緒になった経済産業省中小企業経営支援課の細川係長からも日本が海外へ向けて誇れるのは「食」だけなので食を強化して行かなくてはならないと意見交換しました。日本には恵まれた四季があり、旬の食材を利用した地域ならではの伝統調理や伝統の食材が存在します。そんなご当地グルメを海外にも色んな形で紹介して、食で町おこしに取り組んでいる自治体が増えています。わんまいるもそのお手伝いが出来ればと思い取り組んでいます。それぞれ役割分担して機能を発揮していきましょう。
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