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プロが語る「食品通販」の世界 vol.038

3.どちらにも影響を与える手法

(2)アフィリエイト

今回より、アフィリエイトについて考えていきたいと思います。ブログはまだ「検索エンジンマーケティング」の比重が高い集客策でしたが、今回考えるアフィリエイトはほぼ「検索エンジン外マーケティング」の効果を狙った集客策と言えます。

経営の観点からアフィリエイトを利用するメリットは、以下の3点と言えます。

①検索エンジン外の集客数確保
②権威付けされた他社サイトの利用
③認知度のない商品のPR

①検索エンジン外の集客数確保

弊社の支援先に、カステラメーカーがあります。この会社にとって、最も重要なキーワードは「カステラ」です。品揃えの大部分がカステラですから、当然のことと言えます。しかし、このカステラというキーワードでのSEO対策、リスティング広告だけでは、目標とする売上を達成することができません。売上目標が高過ぎるというわけではなく、この対策だけでは不十分なのです。

月間の検索回数を調べると、カステラというキーワードの検索回数が非常に少ないことがわかります。また、検索した顧客のすべてが自社のネットショップに来店するわけではありません。仮に検索に対して1位表示されたとしても、20%強の顧客しか流入しないものなのです。つまり、カステラというキーワードの検索回数が20,000回/月とした場合、カステラというキーワードで自社が1位表示されたとしても、20,000回/月×20%で約4,000セッション/月しか期待できないということです。これが来店人数です。

実際の購入人数は、来店人数に転換率を掛けなければなりません。平均的な転換率は1%ですから、購入人数は約4,000セッション×1%で約40人とわかります。カステラというビッグワードで1位表示されたと想定しても、たったの40人/月しか購入に至らないのです。

品揃えの多い業態ではキーワードが多岐に渡るため、特定の検索キーワードに依存するということはありません。そのため、検索回数の総和は大きく、検索エンジンマーケティングだけでビジネスを成立させることも可能です。しかし、単品で勝負するメーカーなどは、特定の検索キーワードに依存しており、その検索回数だけでは不十分なのです。そのようなことから、必然的に検索エンジン外マーケティングが必要となるのです。

これが、アフィリエイトを活用するメリットの1つ目「①検索エンジン外の集客数確保」なのです。

②権威付けされた他社サイトの利用

弊社の支援先に、アフィリエイト経由で売上を順調に伸ばしている製茶メーカーがあります。お茶の産地として有名な地域ではなく、ブランド力のある企業でもありません。それにも関わらず、売上を伸ばせている要因は、アフィリエイトを通して権威付けされた他社サイトを利用しているからなのです。ネットショップの特性として、「信用が重要である」ということを以前述べました。一般に、顧客が商品をレジに運んで買い物を行う際の心境は、「楽しい」「うれしい」といった気持ちももちろんですが、それ以上に大きな部分を占めるのが「不安」です。顧客は常に自分自身の選択に自信が無く、「失敗したくない」という不安の気持ちを購入時心理の第一義として抱えているものなのです。

ネットショップでは顔が見えないことから、顧客はより一層の不安に駆られることになります。つまり、そういった不安を取り除けるネットショップこそが売上アップも達成できるのです。そこで、不安を取り除くため、店舗・商品に関する信用を伝えなければなりません。信用を伝える方法は、以下の3点です。

ⅰ)第三者の声
ⅱ)第三者の評価
ⅲ)第三者とのやりとり

ⅰ)第三者の声とは、「お客様の声」のことであり「レビュー」とも呼ばれます。顧客は、店舗側の言葉ではなく、あくまで第三者の声を見て信用できるかどうかを判断するのです。

ⅱ)第三者の評価とは、「販売実績」や「ランキング実績」、「メディア掲載実績」のことです。「有名人」の露出を行うことも、この第三者の評価と言えるでしょう。まさに、「皆が買っているから大丈夫」という顧客心理と言えます。

ⅲ)第三者とのやりとりとは、「ブログ」や「SNS」、「レビュー」に関する対応のことです。第三者と店舗側のやりとりが公開されている点が、ネットショップの特徴の1つであり、その対応を見て信用できるかどうかを顧客は判断するのです。

もちろん、これらを店舗内で伝えることは重要です。このような施策によって、確実に転換率は上がります。ただ、これらの施策はあくまで「自社⇔顧客」という2者間での話であり、「自社がどのように、顧客に信用してもらうか?」ということです。

発想を変え、「仲介者」に紹介してもらうという売り方を考えてみましょう。つまり、「自社⇔仲介者⇔顧客」という形です。この場合、重要なことは顧客に対する自社の信用ではありません。顧客に対する仲介者の信用が重要なのであり、これこそがアフィリエイトのビジネスモデルと言えます。

考えてみれば、当然のことです。「第三者の信用がある店」「信用できる人に勧められた店」のどちらがより信用できるかと考えれば、一般的には後者の「信用できる人に勧められた店」でしょう。信用できる人に勧められたことによって、その店自体も信用できると考えるのです。つまり、信用できる人の存在によって、購入時心理の不安の気持ちが払拭されたということです。

人でも、サイトでも、ファンを持っている存在がいます。逆に、ファンの立場から見れば、その人やサイトは信用できる存在なのです。そのような人やサイトが商品を紹介した場合、多くのファンが購入に至ります。これこそが権威付けされた他社サイトの利用であり、弊社の支援先の製茶メーカーが強化していることなのです。これが、アフィリエイトを活用するメリットの2つ目「②権威付けされた他社サイトの利用」なのです。

次回のコラムでも、引き続きアフィリエイトを利用するメリットについてお伝えしていきます。

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