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廣瀬先生の徒然日記 vol.023

9月の手紙の書き出しは、「新涼」だの「秋涼」だのと記載しますが、温暖化の昨今、9月に「涼」の漢字は似合わないですね。秋とはいってもまだまだ暑く、汗をかいてしまいます。それでも、夜は、少しはマシなので、かろうじて「残暑」の言葉を使っても許されるであろうと感じています。

まだまだ暑い日本列島ですので、なかなか運動は難しいですね。
でも、足腰を鍛えるために、熱中症に気をつけながら家の中で軽い運動を継続してみてください。

ロコモティブシンドローム(運動器症候群)という言葉を聞かれたことはありますか?

運動器の障害による移動機能が低下した状態を指します。
みなさん自身が、どれくらい体を動かすことができているのか、それを客観的に知ることから始めてみましょう。
「ロコモ度テスト」が次のURLにあるので試してみてください。
(ロコモ度テスト・・・
https://locomo-joa.jp/check/test/

 

日本は高齢化社会を迎えた結果、がんや認知症、ロコモティブシンドロームが増加しています。歩行機能と認知症には、とても密接な関係があることがわかってきています。高齢者では、「骨折や疾患によって寝たきりになると認知症になりやすい」と言います。その反対に、「よく歩いている人は認知症になりにくい」と最近の研究でわかってきました。研究の1つに、70歳から50歳の女性の日頃の運動習慣と認知機能テストの成績を調べた結果、1週間に90分(1日当たり15分程度)歩く人は、週に40分未満の人よりも認知機能が良いことがわかっています。その理由として、いくつかのことが言われています。歩くという動作は簡単そうですが、歩いている際、脳では複雑な処理、つまり脳は目や足から伝わる複雑な情報や体や手のバランスなどを瞬時に処理し、次の1歩を踏み出すように脳から筋肉に指令を出しています。路面の段差や状態、障害物の有無を見て、身体の長さなどバランスに応じた歩幅になるように計算しているのです。歩かなくなると、脳がこのような情報処理を行わなくなるため、衰えてしまうという研究者がいます。また、歩くことによって、脳の血流が良くなり、そのことが認知症予防になるという研究者もいます。認知機能と歩行との関係は、どんどん研究が進んで新しいことがわかってくるでしょう。認知機能だけでなく、歩くことは他の病気の予防に役立つと考えられています。最近の研究で、1日あたりの歩数と中強度の歩行時間で様々な病気が予防できる可能性があると報告されています(表)。


1日当たりの「歩数」「中強度活動(速歩き)時間」と「予防(改善)できる可能性のある病気・疾患」

(中之条研究から見えてきた“病気にならない生活法”社会参加と地域保健研究チーム 専門副部長 青柳幸利
NEWS NO.265 東京都健康長寿医療センター研究所より)

 

中強度の歩行とは、大股で地面を強く蹴る歩行、うっすらと汗ばむ程度の速歩き、息が弾む程度の歩行とされています。ただ、中強度の歩行といっても、無理な歩行は体が疲れてしまうだけですので、個人の体力に合わせた無理のない歩行を心がけましょう。普段運動をしていない方や、そもそも体力のない方は、現状よりも少し体を動かす時間を増やすことが目標になる場合もあるでしょう。あるいは、現状維持を目標にする場合もあります。あまり高い目標を立てないで、体を動かす行為自体を持続させることが大切です。天候や体調の様子を見て、疲れないように体を動かしてみてください。

外出が困難な場合は、家の中で体を動かすことをしてみてください。
公益社団法人 日本整形外科学会がロコモ度テストや運動についてパンフレットを出していますので、こちらも参考になさってください。(パンフレット・・https://www.joa.or.jp/public/locomo/locomo_pamphlet_2015.pdf

また、運動機能が衰えている方や、骨粗鬆症の方、腰痛など痛みがある方など、医師に相談して適切な運動をしてください。

 

普段の食事では、いろんなものを食べて多くの栄養素を取り入れることを心がけてください。骨を作るには、カルシウムのほか、ビタミンDやビタミンKをとりましょう。カフェイン、鉄分、リンはカルシウムの吸収を妨げますので、摂りすぎには気をつけましょう。カフェインは、コーヒーだけでなく、栄養ドリンクやお茶にも含まれています。食品安全委員会(内閣府の審議会などで食品の安全行政を行う機関)の発表した資料をつけておきますので、確認してくださいね(下の表)。

 

筋肉の元であるタンパク質を作るには、いろんな食材からタンパク質をとり、ビタミンB6もとりましょう。ダイエットだといって、エネルギー摂取量が少ないと筋肉が痩せてしまいますので、炭水化物や脂質も摂取することが必要になってきます。

適切な運動と食事でロコモティブシンドロームを予防しましょう。

 
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