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2020年12月(288号) 「消費の変化に対応する」

商売の原理原則は顧客が必要としている商品を提供する事です。この事は、時代がどんなに進化しようが不変です。そして客層は大きく二通りで、価格志向8に対して価値志向2と捉えています。

資本が多くあり市場でトップシェアの獲得を目指す場合は、8割の客層を対象にした商品を開発、中小企業なら価格で負けてしまうので価値志向。特に独自固有の他社では販売されて僕が結婚した昭和59年頃は、衣・食・住を総合的に販売するダイエーやジャスコ(イオンの旧名)などの総合ショッピングセンターが繁盛していました。しかし、バブルが弾け、消費が細分化し、家電・家具・衣料など専門に取り扱う量販チェーンが誕生し、ダイエーやマイカルは経営破綻しました。ジャスコやイトーヨーカ堂は、食品スーパーを核としたテナントによるモールと呼ばれるショッピングセンターへ変化させ生き残りを図りました。
この間、コンビニが全国津々浦々と店舗を増やして繁盛していき、ホームセンターやドラックストアが現れ、そしてネット通販、ネットスーパーへと消費が変化してきました。一方で、町の個人経営の業種店が無くなり、商店街もシャッター通りとなり、100年以上続いた百貨店も次々に閉鎖して行っています。
このように消費が変化していく中で、個人の酒販店から酒専門DSへ変わり、その後ネット通販でワイン専門店を開設し、年商45億円を販売する傍ら、LEDの販売も始め国内大手企業にまでに成長させた元酒屋の未来堂様。同じく酒屋からコンビニに変えて、コンビニから地ビール製造を始め、今やクラフトビールブームで製造が追いつかない程の箕面ブリュワリー様など、消費の変化に対応され業種や業態、売り方を変えて勝ち残っている事業者様も多くいます。むしろ変化させないと生き残れないと言えるでしょう。
100年以上続く百貨店も前身は呉服屋や両替商だったところが多く、金物屋からホームセンターに変わったところや、昔は、結婚式に新婦さんが被る文金高島田を作っていた帽子屋さんが、酒屋に変って薬酒造りを始め、そしてクリス屋となり調剤薬局店を広域に展開し、薬屋さんから調剤薬局、そして介護事業老人施設運営へと展開している企業様など時代の消費の変化に対応されています。
特にこれからは、データーとデジタル技術を活用して、ビジネスモデルの変革、組織、企業文化、風土の変革が行われて行きます。
僕も酒屋で働いた時に、いつかは背広を着てネクタイをして出勤する事を夢見てブランドスーツを着ていた頃もありましたが、今日では綿パンにノンネクタイにジャンパー姿で大阪駅前のオフィスに出勤しています。会社へ出勤する事すら止めた会社も現れ、在宅勤務・テレワークが浸透、仕事は会社へ出勤してやると言う常識すら変化して来ています。
IT化やロボット化が進むと人が行う作業がなくなり、監視する立場に変化してきている。そして工場の外から遠隔操作で機械やロボットを動かすようにもなり、お米作りでさえ苗を植えず、ドローンで種・肥料・農薬を巻き、生育状況を監視して無人で稲を刈り、自動でフレコンに詰められ、そのうち無人トラックで精米センターへ運ばれるでしょう。既に無人の精米工場も多く存在しています。
このように「消費の変化、プロセスに対応する」事が商売繁盛の法則です。

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