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2024年2月(326号) 「デジタル整備」

 今年9月で創業36年を迎えます。当時の一般の酒屋は、そろばんを使って計算して手書きの納品書に請求書の店も多く、電卓がようやく普及はじめた頃、業務用の取引先も多く複数の従業員を抱えた法人酒販店のみが店頭・配達・現金・掛売り・在庫管理・納品書・請求書・売掛・買掛、酒税報告書などの帳票を自動でプリントできる酒販店専用コンピューターを導入していました。
 僕は独立する際に絶対に必要だと思い、ソフト開発販売会社に頼んで、貸出機を安くリースで購入しました。そして殆どの酒屋が使ってない自動印刷機も購入し、周りの反対を聞き流し、わずか3坪足らずの車庫を店に改装してお酒・お米の宅配専門店を開業しました。
 この酒販店専用パソコンと印刷機導入のデジタル投資が無ければその後の共同仕入・販促グループ「酒塾」の設立は無かったと思います。
 そしてアサヒビール関連の酒販店専用コンピューター開発販売会社に必要と思うシステム開発をしてくれる代わりに導入先を紹介する約束で提携し、加盟酒販店に推奨しました。
最初にシステム開発したのは、当時百貨店がギフトの送り主別送り先商品リストを一覧表でプリントアウトして顧客に案内していたシステムを開発してもらいました。
 その次にカタログにお客様を名前と住所を貼るタックシール出力できるシステムを皮切りに、色んな販売管理システムを開発。
 ところが個別に一台毎に分かれていて繋がって無いので加盟店のデーターを自動集計出来ない。そこで思いついたのが、今のクラウドみたいに本部サーバーを呼び出し(ダウンロード)、各店の端末機で使用して入力したデーターを自動集計、注文を聞いた分だけ発注出来て納品する(わんまいる)システムの開発を依頼したところ無理と断られました。一番のネックは当時一台毎の買取リース販売なのに、レンタルにすると代金を回収できないという。僕は近い将来、格安で月々レンタル支払いになると予測し、新聞で知った伊藤忠商事本社に電話をかけてシステム開発の依頼をし、自社で1億5千万円を投資してわんまいるシステムを開発しました。
 その後もブラッシュアップを繰り返していくうちに時代が進み、クラウドは当たり前。性能が良く使い勝手の良いアプリが次から次に開発されて行っており、自社でレンタルサーバーを借りて自社専用システムを開発する事自体がナンセンスになってきて、色んなアプリを組み合わせることで自社にあったシステム構築が可能になって来ています。
 何千件受注・24時間センターへの自動発注、納品書発行、ピッキングリスト、発送、出荷案内、売掛・入金管理、買掛・支払いも請求書もデジタル化。しかも複数社の異なる事業別に人手を増やすことなく業務を限りなく自動化できます。
 コロナ禍で遠隔商談・ミーティングが当たり前となり、対面による商談室が遠隔ミーティング・沿革商談室に変わりました。電話も自動応答に昨年末から随時切り換えています。冷凍おかずの製造も物流センターも広告もすべて外部に委託しています。これからは日本のみならず世界で何が起こるか分かりませんが、身軽にしておくと変化に対して対応が早く出来ます。氷河期に巨大なマンモスは絶滅したが、小さなネズミは生き残ったと言う説が如く
「デジタル整備」は商売繁盛の法則の重要なキーワードだと思っています。

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