【米国、外食大手次々と経営破綻。長引くインフレに加え、消費者心理悪化が原因】
昨年5月に有名なシーフードレストラン「レッドロブスター」が破産申請。11月にはファミレス大手の「TGIフライデーズ」が経営破綻。今年3月に「フーターズ・オブ・アメリカ」が日本の民事再生法にあたるチャプター11を申請。マクドナルドなど大手ファストフードチェーンも業績が悪化している。今回のトランプ関税で更にインフレは高まる可能性があり、景気悪化は免れない。日本も対岸の火事ではない。
【昨年日本も倒産11年ぶり1万件超え。求人難や人件費高騰による倒産が前年比6割増】
2024年度の全国の企業倒産件数が11年ぶり1万件を超えた。求人難や人件費高騰による倒産が前年比で6割増えて過去最多となり、物価高による仕入れ価格の上昇も中小経営を圧迫。1万件を超えたのは東日本震災の影響が残った2013年度以来だと言う。特に従業員5人未満が全体の76%を占める。それに人件費の割合が高いサービス業の倒産が12%増、日本は33年ぶりの人手不足水準にあるが、生産性の高い企業へと労働が移動すれば、結果として経済全体の生産性が高まると専門家はいう。物価高による倒産も2%増と過去最多。業績不振の企業は、物価高や人手不足といった複合的な余裕が重なり、倒産件数を押し上げていると言う。今後は金利上昇に加え、トランプ関税政策がサプライチェーンを構成する中小零細企業を圧迫するリスクも高まる。
【賃上げ社会保険料6.8%増と所得の伸びを上回り、負担率2割で可処分所得伸びず】
企業が努力して賃上げを実施しても社会保険料の負担がのしかかる。家計の所得に占める負担率は2割超えが続いていると報道。政府は2025年度予算審議過程で、高額療養費の上限引き上げを凍結した。社会保障の改革が送れば国民の負担は一段と重くなる。家計は所得の約3割を社会保険料と税に充てている。話題となった「年収103万円の壁」は、2025年度から160万円に上がり、低所得層を中心に減税効果をもたらし、税負担の軽減にはなるものの、2026年度からは消費者対策の財源となる支援金も社会保険料に上乗せされる。多少減税されても社会保険料が上がれば実質可処分所得でマイナスとなる。少子高齢化の中、増えるのは間違いない。
【社会保険料引き下げに医療費4兆円消滅させる議論始まる】
市販薬の類似薬を公的医療保険から除外。年々薬価が下げられる中調剤薬局の経営がさらに厳しくなる。資産がある高齢者負担を3割に改定、電子カルテの普及など医療のデジタル化で街のクリニックなど電子機器を導入出来ない診療所やクリニックは益々経営が厳しくなり、近くのかかり付け診療所が破綻する。医療・介護を産業として成長させることは、産業化を推進し、交付金や補助金を減らす考えだが、対応出来ない医療や介護事業者は更に経営が厳しくなり倒産が増える。口で言うのは簡単だが、実行するとなると簡単にはいかない。益々医者不足に陥りかねない。と言う方向での議論が進んでおり、早ければ2026年度から実施される可能性がある。
【2024年度冬の賞与平均41万円と支給割合77.8%。16年ぶり高水準。人手不足を反映】
厚生労働省が発表した2024年冬季賞与の集計によると、支給した一人当たりの平均額は41万3,277円となり、前年比2.5%増えた。金額は16年ぶりの高水準となった。背景に飲食店やサービス業に次ぎ、医療・福祉、建設業など人手不足の業種で支給額が伸びた。但し、人件費や物価高など企業収益の伸びが鈍化する中に加え、トランプ関税の影響が懸念される。
【トランプ関税 水産業や縫製業の下請けが多い東南アジア企業の経営を直撃する懸念】
ベトナムでは何十万もの養殖事業者や漁師や水産加工会社の生活が影響を受けると言う。タイでもツナ缶を始めとした水産品の缶詰やペットフード製造会社が多い。又、インドネシアやカンボジアは、米アパレルメーカーの下請けが多く、輸出収入の50%近く占める。又、自動車部品や電子部品の受託製造会社がベトナムやタイと並び多く存在する。マレーシアは家具の下請け会社が多い。米国への依存度が高い東南アジア諸国の企業の多くは、安価な労働力を活用し、低コストで製造・出荷するビジネスモデルで業績を拡大して来た。特に水産に衣料品は労働集約型の代表とされる。但し、近年経済発展に伴い人件費高騰で労働集約産業型のビジネスモデルは既に曲がり角を迎えている。トランプ関税発令が転機となるか。いずれにしても犠牲は伴う。
【ファーストリテイリング 米関税が下期利益2%~3%押し下げる柳会長のコメント】
米中貿易摩擦が日本企業にも悪影響を及ぼし始めた。ファーストリテーリングの柳会長は3月10日米国の関税が全て適応されれば2025年8月期の利益を2%~3%程度押し下げるとの見通しを明らかにした。消費低迷で中国事業も下振れする中国内で補い、全体では最高益を見通すものの、不透明要素は増す。「大国は良いかも知れないがその周辺の国や発展途上国にとっては大災害だ」と述べた。同社は世界380の縫製造工場のうち、ベトナム60工場、バングラデシュに27工場、カンボジアに19工場を抱えていて、こうしたアジアの工場から米国向けに輸出しているとみられる。又、高関税を課せられた中国での製造も多く、影響は避けられない。これはファーストリテーリング社だけの話ではなく、多くの日本企業に及ぶ。
【3月消費者心理4ケ月連続低下。電気・ガス代補助無くなり物価高騰にトランプ関税。。】
内閣府が4月8日発表した3月の消費動向調査で、消費者指数(2人以上の世帯)は前月から0.7ポイント低下して34.1%と4ケ月連続で低下し、2年ぶりに低い水準だった。下げ幅が最大だったのは「雇用環境」で1.7ポイント低下した。「暮らし向き」は0.6ポイント低下、「収入の増え方」も0.7ポイント下がり2月より0.3ポイント減少した。
【これが日本の実態。GW国内旅行者数前年比7%減少。旅行費前年比1%増】
大手旅行会社の集計によると、新型コロナウィルス禍前の2019年度比でも8%減の水準で、旅行費用はホテル代の高騰もあって一人当たり3万6600円と前年比1%増。国内旅行売上は前年比16%減に減る見通しで、特にホテル代が高騰している北海道や東京方面が低調だと言う。一方、国際線空港便の予約は前年比10%増の55万人となる見込みだが、コロナ禍の2019年度比では45%減にとどまる。旅行費は国内外合わせ前年比4%増。
【2025年度初任給上位会社発表。M&A仲介会社や商社からITサービスや不動産が上位に】
1位は、レンタルサーバー国内最大級、簡単ホームページ作成、ソフト提供会社のGMOペポパは、初任給593,000円。2位は、インターネットインフラやインターネットセキュリティー、インターネット広告・メディア、インターネット金融のGMOインターネットグループで初任給591,675円。3位は、丸の内に本社を置く不動産会社(旧日本商業開発株式会社)で初任給50万円。4位のシンプレクスホールディングスは、金融機関のテクノロジーパートナーで、初任給42,5000円。5位は健康食品、化粧品のネット通販会社 北の達人コーポレーションで初任給42万円だった。これまでと違うのが、M&A仲介会社や商社が順位を下げ、ITサービスやITコンサルティング、不動産関連会社が目立った。中でも健康食品化粧品を製造委託して流通販売までインターネット通販で販売する創業は大阪市東淀川区で、北海道本社の北の達人コーポレーションが5位に入った。
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