ホッタの本音 今週のレポートNO.1126

「ホッタの本音」

【多様化の中、ユニークな商品開発を専門に受託するトーヨービバレッジか注目される】
一億人総中流意識と謳われた昭和40年代。隣の人がカローラを買うと、我が家もカローラを購入する時代で、みんなが持つものが欲しい欲求の時代がしばらく続いた。バブル経済が破綻して暫くすると、性別、年齢、国籍、価値観、ライフスタイルといった様々な属性を持つ人々が共存し、互いの違いを尊重し合う「多様性(ダイバーシティ)」が浸透して来ました。コロナ禍以降さらに鮮明となり、高級ブランドまでが大幅に衰退しています。そんな中、ファミマやローソンにコメダ珈琲などが飲料水を中心にユニークなオリジナル商品の開発を依頼して次々にヒット商品を開発する渋谷区本社でたった50人しかいないトーヨービバレッジが注目されている。かつては大手小売業の下請けを行っていたが、急に受注が途絶え経営破綻寸前まで落ち込んだ時に、一社に頼らず下請けではなく新商品開発のみに特化した営業体制に変えて成功を収めている。僕の同級生もアイリスオーヤマや大手家電メーカー大手小売業から商品開発を受託して、大阪を拠点に政令指定都市、海外まで営業拠点を展開している。株式会社スタッフ(小山栄一社長)は、正に多様化時代に付加価値、差別化、臨機応変に対応して成功を収めている。そんな意味では日本一年収が高い企業のキーエンスも似ている。
【潮目、ヤマト運輸。8月の宅配便数量1年5ケ月ぶりに減少。他への切り替え影響?】
ヤマト運輸が8月に取り扱った宅配便の数量は、前年比2.5%減少の1億4751万個で、取扱数量が減るのは2024年3月以来1年5ケ月ぶり。佐川急便は同月比2.1%増の1億個と3ケ月連続で前年を上回っている。日本郵便は6月に貨物運送事業許可の取り消し処分を受けたにもかかわらず、外部委託によってサービスを維持して前年比3%増の3億5863万個。アマゾンは公表していないが、物流拠点を確実に整備して、冷凍の翌日配送を始めた事から相当取扱数は増えていると思われる。
【2025年度最低賃金前年比66円増の1121円と過去最高の伸び率 企業負担重荷】
発足して約1年で総理大臣を辞める事になった石破首相が「全国平均1500円」の実現に向けて大幅な引き上げを即した最低賃金が、国の目安を上回る地域も相次ぎ、結果的に66円増の1121円と過去最高の伸び率を記録。廃業倒産が過去最高に増える中、経済連からは「劇薬」だと声が上がる。最低賃金大幅増、人件費が高止まり、採用したくても採用できなくサービスの低下、販売不振につながる人手不足倒産が増加。年収106万円の壁が残る事から働く時間を減らす人も多く、結果世帯収入増には繋がらず、正社員とパート・アルバイトの差が縮まり、責任が強い正社員への意欲が減少して内定辞退にも影響していてると言われる。正社員を採用する為に初任給を大幅に引上げる原資として賞与を引き下げる或いは中止する企業も現れ、上場企業は早期退職募集人数が過去最高となっている。たかが66円アップ、されど66円。今年の最低時給アップは色んな所に影響を与えそうだ。
【マルハニチロ、このところやることなす事ツイてない。。秋刀魚養殖成功】
まぐろの養殖は餌の高騰に加え、天然まぐろ漁獲枠拡大にて大手が一斉に縮小・撤退。ぶりや鯛や鯖の養殖も餌の高騰に加え、温暖化により成長が鈍化。日焼け、赤潮など対策費用がかさみ縮小撤退が相次いでいる。飲食店は天然魚の販売に力をいれる。秋刀魚が13年ぶりに大漁となり、漁獲中止になった直後に大手水産会社マルハニチロは秋刀魚の養殖に成功したと発表した。冷凍食品会社などにも出資して販路拡大に積極的だが、中々難しい様に思う。
【飲料水補充や清掃はロボットに任せる大手コンビニやスーパーが増え、人手余りに】
このところファミマやローソンにセブンイレブンもウォークインにオープンケースの飲料水の陳列補充や清掃にロボットを使用し出して、人手不足を補っている。と言うより高騰する人件費を圧縮させている。セルフレジが普及した様にバックヤードや調理なども自動化は進んでいる。清掃とか陳列と言えばシニア層に残された仕事だったのが大幅に減少する可能性がある。単純作業は人からロボット・機械へと変わる。
【韓国現代自動車米国内工場で働く韓国人など不法法労働で拘束。そらそうだ。】
米国内に製造会社を設立した韓国の現代自動車で働く日本人を含む韓国人約300人を不法労働の疑いで拘束した。既にチャーター機で帰国させる計画だが、韓国政府としては帰国後どうすれば米国に入国できるかを米国側と協議したいと言うが、そもそも一連のトランプ関税は米国内で米国人の雇用を増やし収入を増やす事が目的の措置で、輸入を減らし外国人労働者を減らす目的だ。そこで外国資本により米国内に工場を建設させて、そこに米国人を雇用して働かせたい一石二鳥の考えは誰でも解るのに、自国の労働者を連れていければ米国側と対立するのは当たり前だ。但し、米国人は給与水準が高く、労働規則など自国制度と全く異なる。それぐらいの事をわからず積極的に投資して来たこれまでがおかしいと思う。結果高くなる、インフレ、モノ売れなく不況になる。米国発、超インフレ、世界不況。。
【酒税改正で好調なビール販売8月マイナスに。ビール類全体は11%減少と厳しい】
業界が衰退していく際に、不思議と起こる大手企業の不祥事。先日サントリー会長の藤浪氏が不法薬物輸入で家宅捜査を受けて、サントリー会長などを辞任した。酒税改正で売上前年比を超えていたビールがマイナスとなり、ビール類全体では前年比11%減少。少子高齢化で当たり前だ。今後も減少は続くだろう。
【サトウのごはん1年で3回値上げしても売上18%増。値上げで純利益6.2倍】
3ケ月間の売上高は18億円。この一年間で何と3回も値上を実施したにも関わらず、売上は上がらず18%増。利益が大幅に伸びて6.2倍に。正に売手市場におけるビジネスモデルだ。コンビニでさえパックご飯の販売を増やしている。ドラックストアやディスカウントストアなどでも安いパックご飯が売られているか味と品質で勝負している新潟本社の「サトウのごはん」は輸出も増えていると言う。
【飲食店が農業・漁業へ参入増加 複雑な流通を排除し生産も効率よく行うと利益増】
回転寿司大手は養殖事業に参入。ワタミは農業に参入するなど製造小売りからもう一段川上の生産まで搬入する飲食店や小売りが増えている。複雑な流通の垣根を突破し、自社で生産・加工・流通・販売まで行う事で生産性が高まるとういう事だ。僕も長年産地に訪問しているが、まだまだ現場は昔変わらぬスタイルと意識で生産している様に思う。農作物は多くが兼業農家か退職した人たちが趣味程度で作っている方が多い。企業がその気で生産すれば難しい所もあるが、十分に採算は取れると思う。しかも自分たちの店に合った品質のものを作れる。この流れは増える。

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