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2021年1月(289号)「ユーザーイン」

戦後需要が供給を上回っていた昭和の良き時代は、商品を作れば売れた。メーカーは品質維持、量産する事に専念し、問屋は商品を仕入れる事に専念、小売店は店に並べれば売れた。店を大きくしたい意欲ある経営者は、同業者より安く販売すれば多く売れて店舗を拡大し、薄利多売が成り立つプロダクトアウトと呼ばれる時代だった。
そしてバブルが崩壊。収入の格差、ニーズの多様化が始まり、業界や市場の購買需要を予測した商品開発と言う事になり、販売力のある小売企業の要望、つまり流通のニーズに応える「マーケットイン」という時代となり、今日でもまだ量販店とメーカーの間で行われている商習慣です。
市場やチャネルごとに標準化された品質と低価格で販売され、同じ商品が量販スーパーやドラックストアで競い合い、安く販売されています。
ところがスマホが普及し、ネット通販で顧客自らが欲しい商品を検索して購入するようになり、AIで顧客の潜在ニーズを読み取り提案する「ユーザーイン」と言う時代になって来ました。
マーケット(流通ニーズ)とユーザー(顧客)ニーズとは本来異なり、同じコンビニチェーンでも立地により売れるものが違い、個人によっても欲しいモノは異なります。アメリカのAmazon Goという無人コンビニがそうで、スマホで決済する事で個々の購買や潜在ニーズを分析し、情報提供してスマホで注文決済して店舗で受け取れると言う仕組みです。僕もAmazonで電子書籍を利用していますが、週に1度、僕が興味を抱きそうな書籍リストを配信して来ます。そのリストを見ると、自分でさえ意識していなかった自分の潜在ニーズが理解できます。正に「ユーザーイン」の発想で、デジタル技術の進歩とそれを最大限に使ったビジネスモデルは急速に普及しており、ニューノーマル(新常態)へと様変わりし、従来のリアル店舗や企業の仕事の内容や働き方まで進化させていくでしょう。
正にDX(デジタルトランスフォーメーション)の到来で、データーとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービスを提供し、ビジネスモデルを変革すると共に、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土までも変革を行い、顧客の不満や不便を解消する問題解決型の「ユーザーイン」と言う思考が重要になっています。新型コロナウィルス感染拡大により進化が一気に加速し、事をチャンスとして捉えましょう!
「ユーザーイン」
これまた商売繁盛の法則也。

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