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2023年4月(316号)「産業間の垣根を取っ払う」

例えばタクシー会社やホテルチェーンは、個人の車や住まいを移動手段や宿泊場所として提供するGOやウーバーのようなIT系企業と乗客や宿泊客を奪い合うようになるとはかつては想像していなかった。

食品業界でも生産・加工・流通・販売の垣根を取っ払い、一貫して行うようになってきている。
弊社が独立創業した35年前は、酒は酒屋、米は米屋が販売されていた。僕は酒と米を両方取り扱い宅配した。しかも注文を聞けば直ぐ届けていた時代に、時間帯配達・曜日別配達を取り入れ、周りの酒屋からそんなことしていると潰れると言われました。しかしその後、一般家庭の酒米の宅配で全国一番多く販売するまでになった。当時、酒の問屋はキリンビール系列とアサヒビール系列と別れて専売制だったが、僕はアサヒビールと提携してアサヒビールの特約店(問屋)にキリンビールを二次(卸)で取り扱うように説得した。同時に日本酒も焼酎もワインも特約の有無に関係なく取り扱うように説得した。ある一定の販売量になるまでは何故特約で無いメーカー商品を取り扱わなくてはならないのかと凄く反対され、アサヒビールの協力が得られるまでは幾度となく協力問屋や加盟店に造反。

今となれば当たり前だが、当時酒の問屋に米や食品を取り扱ってもらうのは一苦労だったが、JAやメーカーや精米する問屋を説得して垣根を取っ払い、流通のネットワーク(今日ではサプライチェーン等と呼ばれる)を構築した。そして常温商品のみならず、チルド商品や冷凍商品まで流通に乗せて宅配するにあたり、当時業界専門のコンピューター会社から専用ソフトをリースで購入してインストールする時代に複数の異なるメーカー・問屋・小売店などが同時に使用できるクラウド形式のシステムを伊藤忠商事に頼んで開発してレンタルで利用してもらうようにしました。

弊社はそのレンタル費用で収益を得たが、弊社はコンピューターソフトの販社では無い。

現在カタログも制作会社の手は借りず自社で全て行っているが、弊社は制作会社でも印刷会社でもない。

そして「冷凍おかずセット」の莫大な需要を見越してテレビ通販をきっかけにネット通販を行うに際し、自社ブランドの冷凍おかずの開発に着手。

しかも自社でセントラルキッチンを持たずにそれぞれの料理を得意とする調理会社に委託製造し、人気のご当地食材まで持ち込み、品質や味の調整までお伝えして製造してもらっています。

お陰で多くのメディアから品質と味で高い評価をいただき、業界トップクラスを維持しています。

冷凍センターも常温センターも運営を庫内作業日本一のマグチグループさんに委託しており、自社の倉庫は持たず、人も派遣していない。大阪駅前にオフィス一箇所だけ構え、パート合わせて20名足らずで生産・加工・流通・販売まで一貫して運用しています。

「産業間の垣根を取っ払う」

これまた商売繁盛の法則也。

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