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8.12024
2024年8月(332号) 「仕組みで回す」
デジタルの時代に入り、ようやく属人化(特定の人だけが業務のフローやノウハウといった詳細を把握している状況)はだめだと言われるようになりましたが、日本の場合、まだまだ人に頼り仕事をしている会社が多いと思われます。人に頼っていけない点は、その人が急に怪我や病気などで仕事が出来なくなった場合、変わりが利かなくなります。それに人に頼っていると、事業が拡大しません。生産性が悪く儲からないと言う事になります。
ここにきて後継者不足で経営破綻や事業整理する小規模会社が急増しています。社長が高齢でやれなくなった、専務がいなくなった、誰かが居なくなると途端に会社が回らなくなるのです。
例えば僕が独立して地酒を仕入れて販売したいと考えた時、多くの酒屋の経営者は自ら蔵元に直接訪問して仕入れて販売されました。酒屋の主人と酒蔵の経営者又は担当者一対一の関係です。その関係を長年に渡りしていると、他の若い人に任せられなくなり、しかも一人の限界もあり、お付き合いが出来る蔵元の限界が出てきます。
僕は日本各地の地酒を扱いたいと考えていましたが、直接酒蔵を訪問するのではなく、先ずは酒処の新潟の酒問屋「新潟酒販」様に訪問し、大阪の仕入れ先の酒問屋を二次にして卸して欲しいと相談に行きました。そして成功事例を元に国分さんを一次卸にして、各地のエリアパートナー(酒問屋)をベンター(二次卸物流会社)にして地域パートナーを増やし、全国15都府県268店舗が加盟する日本最大規模の「酒販宅配ネットワーク」を構築しました。
お米もこのやり方で生産地のJAと生産者と組み、米問屋に玄米を入れて在庫・精米・ベンダーまで納品する仕組みを構築したのです。
仕入れも当初は人に頼っていましたが、伊藤忠商事様に依頼して「わんまいるシステム」を開発しました。
まだクラウドが知られていない時に先駆けて開発しました。ベンダーさんが嫌がる取り扱いのないチルドや冷凍商品を、冷凍冷蔵の物流センターを持ち、庫内作業国内トップクラスのマグチグループに委託しました。
仕入れは元からと言う商売の原理原則に従い、産地を回り、現在の仕入れ先を確保し、自ら日々ブログを執筆して有名に仕立てました。
精肉加工会社や野菜の加工会社なども開発して、それぞれの料理を得意とする各地の食品製造会社も開発し、冷凍おかずのサプライチェーンを構築しました。
もし僕が一軒一軒直接酒蔵を訪問して問屋を通さずに仕入れていたら、取り扱いアイテムは少なく、直ぐにお客様に飽きられてしまい、多くのお客様から支持いただけず、売上も増えなく加盟させて欲しいと多くの酒販店から声もかからず、地場の酒問屋からもエリアパートナーを引き受けて貰えなかったと振り返り思います。
社員一人当たりの生産性も小規模会社としてはかなり高くなってきました。如何に「少ない人手で多くの利益」を得られるか。そして「より多くの人のお役に立つ」ことが出来るか。それをするにはどうすれば良いか。
「仕組みで回す」システムの構築だと思います。
これまた商売繁盛の法則也。
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