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10.202021
ホッタの本音 今週のレポートNO.922
【ヤマトもアマゾンになびく、出品者に割安運賃を提供】
どんどん身近になって来るアマゾンジャパン。現在全国21ケ所(100ヶ所予定)に物流拠点を持ち、自前の配送網を構築。出品者はアマゾンの物流センターに商品を預け、大半の作業をアマゾンが手掛ける「フルメントサービス」と、出品者が自前で配送業者に依頼してお客様に「直送するサービス」と2種類ある。今回は直送する出品者に対してクロネコヤマトと提携して割安な運賃を提供すると10月5日に開催された出品者向けのオンラインイベント「Amazon ECサミット21」でヤマトHDの長尾社長も参加し、全国4,000ヵ所の営業拠点と6万人のドライバーをフル活用し、中小事業者のビジネス支援をしたいとコメントした。楽天は日本郵便と資本提携を発表しており、Zホールディングはアスクルや出前館など自前の配送網を生かした実験を行いつつヤマトと提携して出店者に対して商品の保管から出荷まで代行するサービスを提案している。この3社の物流に関してだけを観てもアマゾンが圧倒的にリードしている事が分かる。スマホやパソコンへのリタゲ頻度や検索時の表示も一番多く、しかも選びやすく買い易く受注した結果案内も配送状況も解り易く安心だ。見習うところが多くある。
【スーパーライフ2021年3月~8月半期決算売上微増、営業利益10%減少】
先週はイオンが赤字決算を発表、今週はライフが半期中間決算を発表し、売上高は3,870億(年間7,600億円予算)営業利益は152億と10%減少した。原因はネットスーパーの配送コストに加え、チラシ広告復活による販促費の増加だとコメント。ネットスーパーの売上が無ければ売上もマイナスだろう。結局コンビニも食品スーパーも同じような品添えで代り映えしなく、欲しい商品が無いと言われる。コロナが落ち着くとその反動で客数と単価が減ると考えられるので、お客様が欲しい買いたくなる商品を提案して客単価を1.5倍に増やさないと業績は上がらない。ECへ消費が移行し、定期的に消費されるものは「その都度購入」から「定期購入」へと変わりつつある。今後はこれまで立地と品揃えと価格訴求で売上利益を上げて来たスーパー量販店は厳しくなる。(8月主要スーパー売上前年2.4%減少)
【国内売上苦戦のユニクロはネット注文商品を2時間で店頭受取りを全国で開始】
巣ごもり生活が定着し、節約志向が強まる中、古着購入者が増え、アパレル業界は厳しさが増している。片一方で欲しい商品が無いと言う声も多く、本当に気に入った商品は転売せず持ち続けたい願望もあり、高級腕時計や靴などが売れている。更にはリセールバリュー(購入した商品を販売する際の下取り価格)を意識して購入する人が増えている事も考慮しなくてはならなくなり、これからのアパレル業界の経営戦略を見直さなければ単にネット購入商品を店頭で早く受取できるだけで抜本的な売上対策になるのだろうか。
【やってはいけないスーツ5000円時代に大手が次々に参入】
コロナ禍を発端に価格破壊が一段と厳しくなって来た。AOKIやワークマンが上下で5,000円前後の紳士スーツを売り出し完売が相次いだ。この数年間はスーツを敬遠されカジュアルが浸透してズボンは綿パンに上着はシャツだけ、冬はシャツの上からセーターに通勤はダウンと言った流れが続いたが、WEB商談が増え、上着だけでも背広かブレザーをと言う意識が高まり、昨年1万円のパジャマスーツが大ヒット、コレをきっかけに安ければスーツ売れるんだと言う事で遂に前代未聞のスーツ上下4,800円が売り出された。価格破壊も良い所、これだけ下がると前年の売上げを上回るのは大変な事だがコロナで大きく落ち込んだのでなりふり構わずなのか。。
【スタバが地域限定工芸品を取扱う→地域コミュニティを深めファン作り】
スターバックスコーヒーがその土地の一員でありたいと考え、各地域とのつながりをより強く深くするための活動の一環だとして、東京門前中町の工芸品「江戸切子のスターバックスアイスコーヒーグラス」3万8,500円(税込)、広島の宮島の店舗では「宮島御砂焼きで作ったマグカップ」を7,150円で販売。他にも石川県の久谷焼き、福岡県の小石原焼きのマグカップなど2021年8月時点で14の商品がある。地域限定の工芸品とのコラボにより、地域とのコミュニティーを深め、憩いの場を提供し、ファン作りを行う。デジタル化が進むと反対にアナログや古き良き伝統や文化で心を癒す事を好むようになるので、中高年の客層の集客にも繋がる可能性もある。僕の通うジム友が日本のマネージャーを担う米国発のブルーボトル珈琲もマグカップなどを販売して生活シーンを提案し、顧客自らがインスタなどSNSに投稿する仕掛けを作り、集客に成功させている。モノからコトを提供、売るから提案する時代へ対応している。
【ディーラーを持たないスマホで買えるテスラがシリコンバレーから本社をテキサス州に移転】
世界のIT企業が集まるカルフォルニア州サンフランシスコのシリコンバレー周辺はここの10年間土地の値段と人件費の高騰が続く中、コロナ禍を発端に普及したリモートワークによってサンフランシスコから本社を地方に移転する動きが加速している。2018年ディーラーを全て閉鎖してスマホで買える仕組みを構築してEVで世界トップシェアと販売台数を誇るテスラもシリコンバレーの本社を移転させると発表。一等地のオフィス地域から地方や郊外に本社を移転されるのは米国の企業のみならず世界共通して行っている事だ。そしてそれぞれの社員の多様な働き方に対しても対応している企業も増えている。
【世界で食料インフレ深刻、2021年9月2014年~16年比130%上昇し途上国では飢餓状態が増える】
コロナ禍により出稼ぎ農夫が農作業時期に帰国出来なく、渇水などにより穀物か収穫量が激減している中でコロナ禍から急速な経済再開を受け食用油や牛や豚や鶏肉の値段が上昇に食料インフレは家計を直撃して特に主食を輸入に頼る途上国は大打撃で、国連によると今年も飢餓状態は6億6,000万人に上り、飢餓で命を落とす人は毎年900万人いると言う。日本は超高齢化により減反を余儀なくされているが、デルタルを取り入れたスマート農業により、とうもろこしやじゃが芋、小麦大豆などの栽培を増やして雑魚などと合せた家畜の飼料や加工食品を製造し、輸入すれば円安も手伝って大きな産業になると思う。
【ベイシアのグループ会社カインズはDX推進をインドで開発拠点を開設 本格始動】
カインズは顧客向のアプリや社内システムなどのデジタル開発で海外のエンジニアを活用し、インドのITサービス大手タタ・コンサルシーと提携して拠点を設立したと発表。高度な情報技術を持つ人材が多く人件費も安いとされるインドに拠点を構える事で、デジタルフォーメーション戦略(DX戦略)を進めると言う。これまでもカインズは商品の場所を探せるアプリやオンラインで注文した商品を店舗にし、地下ロッカーで受け取れるサービスや売り場を案内するロボットの導入も行っている。リアルとネットの融合で若者層の顧客開拓につなげる考えだと言う。同じグループの兄弟会社のワークマンは、インスタグラムによりアンバサダーを使った送客や広報活動に成功しているのでベイシアグループとして成功事例を共有すれば良いと思うのだが他人には分からないお家事情があるのだろうか。。
【モノを捨てる、整理するコンサルタントが世界で大活躍「こんまり」の近藤麻里恵さん】
なんと著書が1,100万部の大ベストセラーとなり、世界中でモノを捨てられなくて困っている人、整理整頓が出来なくて困っている人などから注目されている日本人女性が大活躍している。車はシェア、自転車はレンタル、晴れ着は七五三に始まり成人式や結婚式までレンタルが当たり前になり、旅行のスーツケースやベビーカーまでがレンタルとなり所有から持たない時代となって来た。本当に必要なモノや絶対に欲しいモノ以外は買わなくなっている。従って何処でも売っている商品や有り余っているモノは売れず価格がより下がり、希少価値や今だけ、他では売っていないモノが売れる。高いモノが売れ安いモノが売れなくなり、これまでの常識が逆転する。いま日本でレクサスの入荷が何時になるか分からないのに予約が殺到している。500万円以上の車が売れて400万以下の車が売れなくなっていると言う。年収と同じで、500万以上の人の収入は年数十万単位で上がり、400万円以下の人の年収は減っている。分断景気と呼ばれ、どうやら令和の時代の特徴で最低10年間は続くだろう。
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