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ホッタの本音 今週のレポートNO.800

【堀田の本音800号】
僕は27歳で独立開業してからずっと続けている事の一つに新聞切り抜きがあります。毎日届く日本経済新聞や食品流通新聞、業界紙などに目を通し、世の中の時流や変化を見ています。中でも気になる見出しの記事は切り抜いて自分なりにコメントを残してメモを取り、コピーをして社員に回覧していました。ホームページが完成したので当時の福崎取締役が校正してくれて「堀田の本音」と題してホームページにアップするようになりました。今回は800号記念になります。少しでも仕事や経営のお役に立てればと思い、自分自身の為にも役立つ新聞切り抜き(現在はスマホに替わりメモを貼り付け)はこれからも続けていきたいと思っていますので宜しくお願いします。特に押さえておくポイントとしては①業種のトップクラスの企業が経営赤字や経営破綻になった場合はその業界自体が大きく変化する事を意味します。②頻繁に見出しに取上げられる話題が今の時流・トレンドだと認識下さい。特にここを押さえて時代の変化やトレンドの変化に合わせて対応していかなければ生き残れません。早く気づき、早く対応出来た企業は生き残れ、対応出来なければ破綻します。それでは今週の気になった見出し記事のご紹介とコメントを本音でお伝えさせて頂きます。

【大手企業の半数が副業を認めている】
昨年からギグワーカーと言う言葉を聞く事が多くなって来た。何の事やと思いスマホで検索すると、空いた時間を使い仕事をする人と書かれていました。要するに日本でも働き方改革の一つとして残業廃止を推奨し、定時で終る企業が増えて来ました。週休2日は当たり前、有給休暇の義務付けも行われるようになり、勤務している時間が大幅に縮小傾向。当然時間が空くので、その空いた時間を使い副業する人が増えています。そもそも残業して体と精神が疲れ、病気になる事を防ぐ為に残業を行わないと始めた働き方改革だったように思うのですが、本業で働く時間を少なくさせて、他に仕事を奨めるのはそもそもの主旨に反する。副業するぐらいなら本業で成果を上げて稼ぐ方が効率的と思うし、企業にとっても良いと思う。しかしこれも世の中の時流で、会社帰りにスタバやドトールでパソコンで何らか仕事をしているような人を良く見かけるようになりました。中には幼児を抱える専業主婦もご主人が帰宅してから働きに出る奥さんも増えて来ていると聞きます。特に大手企業で仕事が出来る人が、副業で同業の中小零細企業の仕事を請け負えば間違いなく中小零細企業で働く人の仕事は減ります。そうなると中小企業で働く人の仕事は減り、所得格差は更に広がる事になります。特にIT関連(ネット通販含む)の仕事はパソコンひとつあればどこでも仕事が出来ます。そんな意味では仕事が出来るギグワーカーやフリーランサーを探し、苦手な分野を依頼すれば、中小零細企業でも業績を伸ばせるチャンスが到来した事になります。これからは社員の人数で会社の規模を判断する時代ではなくなりました。会社に出社する事すら、机さえ必要なくなって来ました。机の固定電話は完全に飾りとなりました。平成10年にブリキのバラック建ての鉄工所の跡地へ引っ越した際、事務所にビジネスフォンに入れた時嬉しかった事を思い出し、20年間で世の中様変わりした事を痛感します。

【2020年3月期の業績予測8割の企業が下回る】
株式市場において来年2020年3月期の最終決算の業績予測に関して、8割の企業が事前の計画を下回ると答えた。理由は米中貿易摩擦などの影響で中国や米国の経済の頭打ちへの警戒が強く、特に日産やトヨタなどを筆頭に自動車関連会社が軒並み下方修正。パソコンやスマホに使われる半導体など関連企業、コマツなど建設機械リース会社も加わり、海外の売上比率が高い企業が大半だ。もし予測通りこれらの大手企業の業績が下がれば、多くの下請け企業の業績も落ちる事になり、停滞気味の景気は更に悪くなる。家電が海外で売れなくなり、次に鉄鋼、そしてIT、遂に輸出を支えて来た自動車までがこれも世の中の周期、時流と見た方が良い。アメリカでは自動運転機能付き自動車「テスラ」がトヨタのプリウス発売時期と同じスピードで売れていると言う。そんな意味では日本は、日本酒やお茶やワインも含む食品・健康食品・化粧品の国内生産、輸出の時代へと移るように思う。

【北海道で2017年創業 上川大雪酒造一躍人気になり黒字に】
長年に渡り消費量が減少し、多くの酒蔵が破綻していく中、北海道で2017年に創業した上川大雪酒造が人気となり、ネットでは5倍のブレミアムがついている。大雪山系の水と道産米による酒づくりにこだわり、酒税法が決める最低量ギリギリしかつくらない。特約店のみに販売し、大都市では入手困難な「幻の新酒」としてブレミアムを演出し見事成功させたようです。消費者の希少価値意識を見事突いて、山口県の獺祭が有名になったように、入手困難・数量限定を打ち出し、こだわり感を訴求し、見事に話題になった。創業わずか2年なのに、投資の償却も含め黒字にするとは口コミネット時代だからこそ成り立つ時代です。指をくわえておらずに大きな店舗も設備も必要なく、パソコン一台あれば国内のみならず海外へも販売出来る時代になった事に着目し挑戦すべききだと思います。

【馬車から車への転換100年、便利性を求め自動運転機能付き「テスラ」売れる】
アメリカで爆発的に売れていると言う電気自動車(EV)2018年に25万台を販売し、高級車の中で上位に入ったとの事。6月14日には新型モデル「モデルY」が発表され、アプリから無線操作でラジコンのように動かせる等自動運転に注力している点が人気の理由だとテスラ社長がコメント。これまでの自動車メーカーは今の利益の源であるガソリン車の開発や販売を疎かに出来ず、EVに会社の資源を100%投じる事が出来ません。これまでの車の運転の快適性や値段、燃費、デザインの良さに対して新たに差別化の要素として自動運転の性能が加わり、市場を大きく転換させる可能性があります。技術革新で消費者が求める軸が変ると市場が大きく転換するからです。100年前、馬車から車へ転換し、今度は自動運転車へ人はより利便性を求めます。

【止まらぬ百貨店閉鎖「リーマンショック」以来2ケタ台】
2018年末時点で216店舗と過去10年で61店舗減少、特にリーマンショックを受けた2010年は10店が閉鎖したが今年2019年は北海道の中合、北九州の井筒屋、青森県の中三、山形県の大沼、富山県の大和、岐阜県のヤナゲン、伊勢丹相模原店、伊勢丹府中店、山梨県甲府の三交百貨店などが9月までに閉店を表明。来年2020年3月に新潟三越が閉鎖を表明していると日本百貨店協会が発表した。ブランド頼みの百貨店だが、ネット通販で百貨店に行かなくても買えるようになり、どこの百貨店も似たり寄ったりのブランドばかり。郊外店のショッピングモールやアウトレットにも客を奪われ、最近では駅ビルの改装で手軽に買える駅ナカ消費が増えており、駅前や駅から少し離れていて、かつての繁華街立地店は厳しい。駅へ行けば何でも揃う、百貨店で買うものがないとコメントする消費者も多いと聞きます。ピーク時は10兆円を超えていたが、現在は約半分の5兆円台まで減っており、インバウンド頼みの都会の百貨店も外国人に人気のないブランドはさえない。ギフト売上も年々減少している。駅ナカ・ネット通販・郊外型商業施設(モール・アウトレット)が躍進している。これまた時流の変化なり!

【外食、値上げ組が好調】
いつもお伝えしているように、可処分所得の格差が広がる中、市場が縮む外食産業も値上げ組みが、客単価が上がり客数減を補って増収を確保していると報道されました。客数減&客単価上昇と言う事は、1年経過すれば客数が減少している以上、前年売上を超える事はないと言う事。残業代が無くなり、休みが増えれば何かと出費がかさみ、外食に使うお金は倹約になります。かつての大手居酒屋チェーンの客単価3,500円が、リージョナルチェーンや専門店に押され、3,000円~2,500円となり、肉バルや焼き鳥、串カツなど比較的安い店が繁盛しており、少しお洒落でメニューにもこだわった立ち飲み店が繁盛しています。又売上が減少している丸亀製麺では30分飲み放題1,000円が受けていると言う。これをすると主力のうどんを食べに来る人が減る。唯一伸びている天ぷらのテイクアウトの顧客も来なくなる可能性が考えられます。食べ物屋は食べ物屋に撤するべきの「掟」を破ると命取りになりかねません。太麺から細麺に、関西のだしから関東のだしに、うどんから蕎麦へ、味覚、好みが変化した。そばを売り出せばよい。うどん屋が蕎麦を置いても不思議な事はなく、むしろ蕎麦を置いていない店の方が少ない。回転ずしの蔵寿司さんなんかは寿司屋なのに麺類は当たり前で、最近ではチキンナゲットにハンバーガーまでメニューにある。しかしアルコールの販売には力を入れていません。顧客の味覚変化に敏感になり、SNS等広報宣伝にも取組み、本業回帰を行うべきです。麺を細く加水度を減らしだしの醤油の割合を増やし、鯖やボラだしを加え、ねぎを手切りに戻せば、ある程度客数は復活すると僕は思いますが、やってはいけないテレビCMを見ても太麺のもっちり感を訴求されています。ケンタッキーさんはユーチューブで食べる時の音をしっかり流して、再生回数が凄く増えているとの事。時流にあった広報宣伝とトレンドを押さえて味覚の追究は重要だと思いました。

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