ホッタの本音 今週のレポートNO.1121

「ホッタの本音」

【米国関税15%でも日本の輸出企業にとっては大打撃。日産3000億円 コマツ750億円】
日本産業は戦後ずっと輸出に頼り、特に米国への割合が高い。2.7%だった自動車に対する関税率を27.5%に一方的に引き上げられ、閣僚交渉で15%へ修正が決まったが、影響は図りしれない程大きい。日産自動車は、来年2026年3月期の営業損益で3000億円、三菱自動車は4月~6月だけで144億円利益が減った。スバルは3700億円、コマツは750億円、キャノンは160億円、パナソニック4月~6月だけで58億円、旭化成は200億円下がると発表した。又、鉄鋼・アルミ・半導体・航空機関連、特に医薬品は1年間の猶予を持って追加関税を200%とトランプ大統領が発表している。

【7月三越伊勢丹 高島屋 大丸松坂屋 阪急阪神、主要百貨店全社減収 免税売上減少続く】
インバウンドの数が過去最高を更新する中にも関わらず、頼みの免税売上の減少が続き、主要百貨店の売上低迷が続いている。まさかこんな様になるとは誰も予想できなかったと思う。僕も何故東急百貨店の旗艦店「東横」建て直しに際して百貨店から撤退したのか不思議だった。名古屋の名鉄百貨店も、駅前再開発で百貨店から撤退した。人手不足に加え、家賃が成果報酬の変動制に嫌気を差し、商業施設として完全に賃貸不動産業として割り切ったと思いきや、頼みのインバウンド免税売上が減少する事を先読みしていたのだろうかと驚いている。経営判断程重要な事は無いとは正にこの事だ。日本に不動産やオフィスを持ちたい、或いは事業を行いたい企業は世界中に山ほどいる。割り切って彼らに貸した方が遥かによい。

【王子製紙4月~6月海外価格競争激化に国内コスト高で51億円の赤字に】
中国経済が悪化する中も、東南アジアに安い紙製品が流れ込み、価格競争が勃発して国内は需要が伸びない中、コスト上昇にて赤字になったと発表。消耗品であり量産を続けなければならない紙製品、売上を維持しなければならない中でのコストアップは経営に打撃を与えるのは当然。この間に付加価値の高い他社ではマネが出来ない商品開発をしてこなかったことが問題だ。売上利益とも順調で、今回のトランプ関税も影響は無いと言い切る便器のTOTO。常に便利と高級化を目指した商品開発で他社の追随を許さない。よいお手本がここにある。紙製品で何が出来るか真剣に向き合い思考努力することだ。

【記録猛暑で夏野菜3割・ブリ5割・コメ育成障害で収穫前年割れるかも】
記録的な猛暑と小雨で農作物の作況指数が悪化。国産豚肉は半世紀ぶりの高値をつけている。養殖のぶりは高水温で成長遅延に赤潮の発生が心配される。ぶりに限らず、養殖漁業全体に言える。鶏も餌を食べず卵が減り、生んでも殻が薄く出荷出来ないという。輸入は又もや円安傾向となり、食品インフレは一段と上がる可能性が出て来た。養殖は生け簀を深く鎮める潮の流れが良い場所に設置する。高海水温でも育つ魚に切り換える。汽水湖での養殖に注力する。東北・北海道へ養殖事業を行う。農業も北へ異動、日照温度水分調整出来るハウス栽培設立を増やす。高温でも育つ野菜の栽培や規格外の野菜を集荷・加工・販売するなど手立てを考えるなど。

【増える過剰診療、過剰介護、嵩む社会保険料に打つ手無し。政府は実態を把握改善が急務】
年金暮らしの後期高齢者が増える中、処方箋をどんどん出し、リハビリを日々実施して顧客の利用促進と囲い込みを行っている。整形外科に内科、ペインクリニックに歯医者、眼医者、皮膚科など患者で満員。介護施設や高齢者専用住宅が増え、事業者から顧客獲得や顧客満足追求の為にケアマネに過剰だと思う介護サービスの要請が多いという。二股三股をかけて利用する患者や認定者も多いと聞く。ところが、これらは管理するすべがない。保険証やマイナンバーの提示だけでは分析が出来ない。後期高齢者がかつてないほど増える時代に、既にパンクしている社会保障料の赤字は増える一方だ。政府は早急に実態を把握チェック分析して、手立てを考える仕組を構築しないと財政赤字は増える一方で、減少する現役世帯の負担は増える一方だ。

【コンビニのほぼ半値 トライアルGO まいばすけっと躍進 ファミマ40%増量にて対抗】
物価高・節約志向を背景に、九州を基盤にコンビニのほぼ半値で販売してアッという間に50店舗、東京では西友を買収して店舗展開を加速する「トライアルGO」。イオン系の「まいばすけっと」は、コンビニの跡地など居ぬきの物件を利用して出店コストを控えて、今期26年2月までに150店、来期以降は年間200店以上を出店して、2030年までに現在の1200店舗の約2倍の2500店舗を計画する。どちらも基本直営での展開だ。一方、ファミマは対抗してか主力商品14品を40%増量して販売を始めた。ローソンも備蓄米おにぎり100円など低価格のPB商品の充実に取り組み、いよいよコンビニ以外との闘いが始まった。

【あの「ナイキ」厳しく、直営原宿の旗艦店を8月末閉店する。高級ブランド厳しい!】
2009年に日本初の直営旗艦店としてJR原宿近くに旗艦店を開業2019年には大規模改装してアプリと連動させた店舗として再オープンさせたが、世界的にも人気が陰り、遂に閉店する事になった。日本やアジアでオニズカを傘下に収めた機能と履き易さを追求したアシックスが好調に推移している。世界的にインフレが続く中、余りにも値段が高騰し過ぎたナイキ含めブランドが頭打ちになり衰退している。

【最低賃金平均1,118円、前代未聞のCランク13県64円増とBランク63円を超える】
東京や大阪など6都府県のAランクと、北海道や広島福岡など28道府県のBランク。秋田県や沖縄など地方のCランク13件と別けられている最低賃金制度。そんな中で格差をなくす狙いで今年はBランクの最低賃上げ63円、Cランキが64円と異例の上げ幅となった。これで全ての都道府県で最低賃金が1000円を上回る事になった。実際に倒産件数の原因1位に、人手不足が揚げられている。これは人が募集しても来ないから運営できずに破綻するのではなく、人件費割合が高すぎで人を採用できずにサービスが低下するなど、販売不振に陥り破綻する事です。政府は、人手不足倒産の中身をもっと知り、人手潤沢に確保できる仕組みを作らないと、目先の時給だけを上げても実質収入が増えていない事を理解しなければならない。社会保険料の支払い年収106万円の壁があるのに時給あげると、働く時間が減って企業側は人件費割合だけが高くなり、サービスやモノづくりが低下する事に繋がり、結果販売不振を招く事なりかねない。

【賃上げ実態、4割が実感なく今後も増えるとは思えないと中小企業中高年アンケート】
厚生労働省の発表では、昨年に続き今年も約5%の賃上げだと発表されたにも関わらず、某調査会社の報告によると、若い層での昇給率が高く、特に初任給が大幅に増えているものの、中高年に関しては残業が無くなった、賞与が減った、手当が減った、カットされた等により実質手取り額は横ばいからマイナスに転じている人が中小企業で4割に達しているという。政府の働き方改革やデジタル化推進により、残業が大幅に減っている。休日出勤も無くなっている。

【7月も倒産件数高止まり 危険水準。物価高の積み重ねに耐え切れなくなる中小増える】
これにトランプ関税がのしかかると「マイナス」と答えた企業は57,6%と倒産件数が増加する懸念は一段と高まっている。特に下請けの中小企業が厳しい。

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