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5.162019
ホッタの本音 今週のレポートNO.796
【「デス・バイ・アマゾン(アマゾンによる死)」翌日無料配送の衝撃】
凄い見出しの記事に目をやると、4月25日に開いた米アマゾン・ドットコムの決算説明会でネット通販の翌日無料配送を拡大すると表明した事を受けて記者がつけた見出しだった。2019年1月~3月期決算は売上前年比117%増の559億ドル(約6兆7,000億円)、営業利益は44億円2000万ドル(約5200億円)。何と2.3倍、営業利益率は7.4%と2.3倍に増えたと報告。要因はこれまで投資して来た通販サービスの機能強化や物流網の整備が整いだし、投資が減少した事による生産性向上だと説明。更に有料のプライム会員向けの特典の2日以内の無料配達を1日に短縮させると発表した事により、アメリカ流通業界に与える影響は大きいと見て記者団は更にアマゾンの影響による経営破綻が増えると予測し、見出しを付けて報道したようだ。敏速な無料配送へのニーズは高く、全米小売業界で実施した昨年10月~11月の調査では、39%の消費者が2日以内の無料配送を求めると答え、20代30代のミレニアム世代は2日以内の無料配送がなければ購入を諦めるとの回答が45%に達した。翌日配送を全米に広げる為には物流設備の増設が不可欠で、かなりの投資が必要となる。その点、全米に5千店舗を構えるウォルマートは強い。いずれにしても時短配送のニーズは強く、日本でも同じ流れになって来ている。これらの「直ぐ欲しい」と言う顧客ニーズに対して考慮し、弊社でも買い置き出来るようにして欲しい時に食べられる冷凍にシフトをしてきました。そして定期お届けと言うニッチな手法も取り入れました。顧客の「直ぐ欲しい」に対応した店づくりがコンビニ、宅配なら当日・翌日配送、時間帯配送など、日本では生協さんが今日でも行っている宅配定期購入が用いられている。誰を対象に、何をどのように提供していくのか。市場動向、競合状態、顧客の声を聴き、ニッチに絞り込み独自の商品・サービスを開発して提供していく事が重要だ。
【数百万円でも5年待ち、高性能ジャパニーズ・クラフトウォッチがブレイク】
ワインボトルに詰められた日本の緑茶が数万円で販売され、海外でも人気だと言う話は既にご周知の通りですが、数百万円もする日本の高精度な機械式腕時計ブランドが次々に誕生し、注目を集めていると新聞で報道されていた。品質の高さと希少性がSNS(交流サイト)で直接やり取りできるようになった事も腕時計師が独立しやすくなった背景もある。外国訪日顧客を通じて海外でも人気になって来ていると言う。正にニッチな市場でもグローバルに見る事で市場が拡大する。大いに参考になる報道だ。
【遂に最高級とんかつ専門店が「天下の台所大阪」北新地にオープン】
「東京X(エックス)」「白金豚」「アグー豚」「イベリコ豚」「フォグラとんかつ」、「キャビアとんかつ」など合わせ24種類の高級とんかつ専門店「グローバルわたなべ」が北新地にオープンした。コース料理は4,980円とステーキのコース料理に比較するとお手軽価格で大阪らしい。しかも北新地と言う高級立地。ワインも白7,000円赤8,000円からの品揃えで、リーズナブルな価格帯。徒歩圏内の中の島は一流企業が集まって来ており、有名ホテルの建設も決まり、大阪万博開催決定と言う事で海外からも大勢やって来る。アジアは豚肉文化、しかも肉類は日本に比べるとお粗末な肉質が多く、経済発展が盛んな香港でさえ、肉類の輸入は禁止されている。アジア人の多くが日本の肉を食べるとその味覚に感動するとの事で、正に天下の台所ジャパンでそんな意味もあり大阪は食で人気だ。わんまいるでも石見ポークの養豚場の近くでキャビアが養殖されているので、縁起を担ぎ石見ポークのキャビアとんかつを正月向けに数量限定で売り出したい。
【シックス上海に続き、アメリカに進出】
食材宅配の大手オイシックス・ラ・大地がアメリカ マサチューセッツ州で同業の事業を手掛けるスリームライムズを日本円、約23億円で買収すると発表した。これまでも株式公開の利益を元手に次々に関連業種を買収しては売上を伸ばして来たオイシックス。昨年は中国上海に拠点を設立し、今年はアメリカの同業を買収、しかもその額23億円とは凄い金額で、オイシックスの現状の売上利益規模から考えると社運をかけた大きな投資と思うが、それだけ国内市場に対して拡大は厳しいと判断されての事なのだろうか。今回の買収はオイシックスのノウハウを生かして運営する事で利益をだすとの事だが、これまでの国内の買収のように顧客を増やし販管費を削減できるわけでもなく、中国やアジアへの日本の食材を輸出して売上を増やす事でもなく、アメリカと言う遠方の同業者の買収は果たしてうまくいくのだろうか。
【アップル減収減益、グーグル29%減益、サムスンも半導体6割減益】
アップル社が2019年1月~3月期の決算で売上が5%減少、最終利益が16%減少、2四半期連続の減収減益と発表。主な要因は、対中摩擦が響いているとの事。グーグルも同時期で29%の減益で売上は17%増。要因はEU制裁金支払いを計上したと言う。売上は伸びているものの広告へのクリック回数は前年同期39%増と2018年10月~12月の66%増から大幅に鈍化しており、主な広告事業の成長力が頭打ち感が出て来たのではと指摘されている。サムスン電子も同日の営業利益が6,000億円と前年同期比60%減少したと発表。主力の半導体事業でスマホやサーバーの記憶媒体に使うメモリーの価格が在庫をの増加を理由に下落に転じ、2期連続で減少。テレビ向けの液晶パネルは赤字に転落。アップル社のスマホ販売不振に伴い、売上高も13%減少したと発表。ここ10年間EC環境周りの携帯電話から端末機そしてスマホの普及と業績を伸ばして来た世界のIT業界の主役企業が、理由はともかくとして同時期に営業利益が減少するとは市場が成熟期に入ったと言っても過言ではない。
【連休、観光地に明暗、改元フィーバーや悪天候】
皇位承継に伴う10連休、皇室ゆかりの地、横浜青葉区の自然公園や明治神宮、伊勢神宮は昨年の2倍増と凄い人出だと報道。反対に5月1日令和記念のイベントとして開催された熱海湾クルーズは300人想定がわずか9人、東京湾サンセットクルーズも200人の予定が雨でキャンセル相次ぎ150人だった。また70%が赤字とされる(国税局資料参考)中小企業では10連休を取れない企業も少なくはなく、飲食店やサービス業は臨時のアルバイトを採用する等、人手不足に対応が大変だと言う。今後も働き方改善が進むと予測され、人手不足への対応やデジタル化への対応が遅れればそれだけ業績も上向かないとされ、中小零細企業を取り巻く環境は更に厳しさを増す。2社が1社、3社が2社となり、生産性が上がれば利益が出て税収が増える。その為にもシステム化を整備し、パート・アルバイトの採用と外部との連携や委託して生産性を計って行く事が必須となってきた。
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