新着メディア情報

ホッタの本音 今週のレポートNO.788

【吉野屋、牛丼28年ぶりに新サイズ発売、税別価格表記も】
業績回復に躍起に取り組む吉野家は、牛丼の新サイズを28年ぶりに売り出すと発表した。超特盛780円、小盛360円、2種を追加して6種類とし、また朝食メニューには既存商品と組合せしたおかずが3品の一汁三菜メニュー390円、490円、590円の3種類を提供する。同時にこれまで税込価格1本だったのを税抜価格と(税込価格)を表示すると発表した。これは10月から実施される消費税増税に対しての対策と思われる。空前の豚肉ブームでヤキトン(串焼き)・トンテキ・ハンバーグ・生姜焼きは人気だが、不思議と豚丼だけは売れない。銘柄豚の脂身が少ないモモ肉を一口サイズ(2ミリ)にスライスして味噌だれで焼くか又はボイルして味噌ダレを漬けるかしてアツアツのご飯に5枚ほど乗せれば美味しいと思うのだが、どうしても牛丼の要領で作ってしまうとご飯に合わない。ただ牛丼専門店は牛丼に撤するべきで、ひとつの店舗でサイズ違いを増やすのは良いと思うが、若者の牛丼離れが進む中で客数がさほど伸びずに既存の並みサイズの顧客の2割が小盛に変わると売上がより下がります。業績回復が命題ならば、プレミアム化を図る必要があると思いました。ブランドを変えずに既存の店舗のまま値上げするのは絶対に得策ではありません。友人の横井先生が店舗設計している「ぷれじでんと千房」のように従来のお好み焼き店とすみ分けした展開が功を奏しています。特にインバウンドで訪日外国人から受けています。皆さんご存知ではない方も多いと思いますが、目の前のカウンター越しの鉄板でステーキを焼くスタイルは日本発祥(和製ステーキハウス)で、お好み焼き店の鉄板と目の前で揚げて食べさせる天ぷら屋から発想されたと聞いています。わんまいるでも吉野家の牛丼が売れるのを見て、国産牛肉と有機玉ねぎの牛丼を販売したところすっかり定着して売上は右肩上がりです。色んな部位の牛丼やすき鍋が楽しめ、牛肉握りもあれば嬉しい。日本はこれまで30年間低価格路線でしたが、これからはプレミアム化を付加しなければなりません。理由は人口が減少し消費量が伸びないこと。もうひとつは既に上海や香港などアジア主要国に人件費・物価が日本より高くなっていくからです。グルメを求めて来日される外国人、少々高くてもステキなお店、美味しい物を食べたいのは旅人の共通点だと思います。ちなみに香港で人気の高級おにぎり専門店を展開する百農社は年内に100店舗を突破する勢いで成長しています。おにぎり屋さんでさえプレミアムがうけています。

【鳥貴族、今期最終赤字に転落、出店計画見直し】
ホラ言った通りになっちゃいました。同じ既存の店、業態のままで、食材のグレードやメニューも変更なしに単に値上げするとそりゃ顧客は離れます。しかも黄金の価格帯「均一価格」を破ったのだから、100円均一に代表されるように280円均一、380円均一、500円均一など黄金の均一価格設定は大衆店にとっては重要です。味や雰囲気より低均一価格を売りにしていたのだから厳しく、しかも安くて旨くてメニューが豊富で雰囲気の良い焼鳥屋はいくらでもあります。それと僕は鳥貴族さんに行った事がないからわかりませんが、今回の味覚の変化への対応をされなかったのではないかと思います。丸亀製麺さんもサイゼリヤさんもリンガーハットさんもしかり、客足が減少している店の共通点は、僕から言うと味覚の変化への対応が出来ていません。「濃厚で甘く、小さくて食べやすい」、同じ大衆の焼き鳥店「秋吉」さんは大繁盛しています。やや細麺で濃厚なソース多めの「ジョリーパスタ」は流行っています。値上げのせいにしているが本当はどうなのか?少々高くても美味しければお客さんは通うはずです。

【宝酒造、日本酒の国内出荷量で初の首位!】
これも時代を象徴する見出しと思い目にとまりました。宝酒造の日本酒と言えば、松竹梅がブランド名、30年前僕が酒屋で独立した時の日本酒1位は月桂冠でした。理由は宮内庁など御用達酒として高級酒のイメージで、中小企業の社長や料亭の客は月桂冠の特級を指名していた時代でした。お使いもの(ギフト)も月桂冠の指名が多かったです。その後定価販売が崩れ、日本酒もコマーシャルをする時代に入り、級別が廃止となりレギュラー酒の方が税金が安いからお得みたいな感覚が広がり、白鶴「まる」のテレビコマ―シャルが受けて白鶴がシェア1位を獲得しました。当時松竹梅と言えば東京、千葉方面で飲まれている京都伏見のメーカーの酒というイメージで、それ以外の地域でのシェアは低く正月の年賀酒ぐらいのイメージでした。京都の蔵元が何故東京と千葉で売られたのか?これは昔、米の消費が増えて生産が追い付かず、ビールが一般的に飲まれずに日本酒が主体に消費されている時代で、国の支配下で管理された配給制度でした。そこで国が販売地域を指定して、大阪の場合は淀川から南は白鶴と菊正宗、北側は日本盛、姫路にかけては冨久娘、大阪北の枚方や寝屋川方面は大関、名古屋は白雪、神奈川、東京は白鹿などといったところです。そもそも広域に販売するだけ作れる清酒メーカーと言えば当時は灘と伏見の大手蔵元だけでした。特に稲作が盛んで徳川のお膝元の天領地区は年貢の取り立てが厳しくなかった為に小さな造り酒蔵が多く、年間3,000石までなら一番少ない2級酒の課税で済んだ為、それ以上作らないようにして地元だけで販売をされていました。そもそも造り酒屋さんはお金持ちが多く、田畑を多く持つ庄屋さんの分家が酒を製造しているケースが多く、ガツガツして売上を稼ぐ必要もなかった。販売数量を増やすより良い酒を造る事に懸命でした。そんな意味では関西の商売気質が高い酒蔵さんが全国へと販売を増やしていったのはわかる気がします。ところが、小さな酒蔵さんが日本酒の消費量の減少とともに廃業され劇的に減りました。宝酒造さんと言えば醸造用アルコールも販売されているアルコール業界の大手で、古くから甲類焼酎では日本一、味醂も全国1位、一時は缶チューハイも1位、小さな関東の酒蔵が少なくなり若い方が地方から移り住み、日本の人口の75%を占めるようになり、首都圏で生き残ればその分売れると言った構図ではないかと思います。純米酒や吟醸酒が当たり前に飲まれるようになり、低価格清酒の消費が減少した事もあり、特に首都圏では白鶴「まる」オンリーの販売戦略が裏目に出て白鶴のシェアは減ってしまったと思われます。そんな意味では若者うけする微発砲酒や原酒など新製品の開発も功を奏し一人勝ちしたと言っても過言ではないと思いました。首都圏で強かったこと、清酒以外の分野で売上が大きかったこと、その資金力で若い客層向けの新商品の開発を積極的に行った事だと思います。

【ネット通販、当日配送 競争再開、アスクル・ヨドバシ・楽天・自社配送網】
アマゾンジャパンが独自の配送網を構築してネット通販の売上を伸ばしている事はご周知の通り。そんな中で昨年から「明日着」を実装している通販サイトは利用が伸びています。「直ぐ届けて欲しい」とのニーズにこたえるため、自社の物流網を社運をかけて楽天も参入を発表。ヨドバシカメラでは自社の従業員が小型車や二輪車で宅配を開始。2017年度のネット通販の売上高は1,110億円でそのうち約16%が当日配達。その場で決済、設置できる事から利用が増えていると言う。楽天も自社商品以外の楽天市場の出店者の荷物も当日に届ける体制を東京都内や大阪の一部に限定して開始すると発表。ビックカメラ、アスクルも東京首都圏と大阪で開始する。既にアマゾンジャパンは東京・神奈川・千葉・大阪・兵庫県の一部で実施し、更に宮城県と群馬県に提携する丸和運輸機関が物流センターを設立したとの発表。アマゾンジャパンは昨年に楽天の利用者を追い抜き実質1位となった。ネット通販、宅配を利用する消費者は増える一方で早く届けて欲しいと言うニーズにも対応する。海外ではネットで注文した商品を飲食店で引き取れるサービスも好調だと聞く。中国のアリババは注文した商品をスマホ決済して自社のスーパーでレジに並ばなくても持ち帰れるようにピッキング袋詰めサービスが人気だという。もう自ら商品を選んで買物カゴに入れてレジに並ばなくて済む時代がやって来たようです。レジ有り・レジ無し・店頭スルー・ドライブスルー・自宅受け取り・店頭受け取り、買い物も6つの業態が誕生しそうです。それぞれライフスタイルに合わせて購買をするのでしょう。

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ページ上部へ戻る